学長室だより

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その7

神託にダビデはどう応答したでしょうか。「主なる神よ、何故わたしを、わたしの家などを、ここまでお導きくださったのですか。主なる神よ、御目には、それもまた小さな事にすぎません。また、あなたは、この僕(しもべ)の家の遠い将来にかかわる御言葉まで賜りました。主なる神よ、このようなことが人間の定めとしてありえましょうか。ダビデはこの上、何を申し上げることができましょう。主なる神よ、あなたは僕(しもべ)を認めてくださいました。御言葉のゆえに、御心のままに、このように大きな御業をことごとく行い、僕(しもべ)に知らせてくださいました。主なる神よ、まことにあなたは大いなる方……あなた以外に神があるとは耳にしたこともありません。また、この地上に一つでも、あなたの民イスラエルのような民がありましょうか。……御自分のために大きな御業を成し遂げ、あなたの民のために御自分の地に恐るべき御業を果たし、御自分のために、エジプトおよび異邦の民とその神々から、この民を贖ってくださいました。主よ、更にあなたはあなたの民イスラエルをとこしえに御自分の民として堅く立て、あなた御自身がその神となられました」(サムエル下7章18節~24節)と、祈りを捧げています。叙事詩の記者も後の歴史家も、ダビデのこの信仰に魅せられていたのです。(鈴木 佳秀)