学長室だより
敬和の教育
梅雨の合間の晴れの日には、朝から野バトがしきりに鳴いています。
7月13日のオープンキャンパスも大勢の高校生と保護者の皆さんにお越しいただきました。大学で何が学べるのか、大学はどのような雰囲気なのかを確かめて楽しんでいただきました。
今年は新潟開港150周年の年です。明治維新で開港した5つの港から西洋文化が入ってきました。キリスト教のミッション・スクールも5港から始まりました。しかし、新潟だけはさまざまな理由から北越学館と新潟女学校という2つのキリスト教学校が立ち消えになりました。
戦争が終わり、平和が再び訪れると、明治時代のミッション・スクールの精神を復活させる機運が高まり、今から50年余り前に敬和学園が始まりました。敬和教育の基礎を築いた太田俊雄初代高校校長は、偏差値で輪切りにする教育とは真逆の一人ひとりを大切にして個性を引き出す人間教育を訴えました。大学もこのような教育観に立ってリベラルアーツ教育を展開しています。
アウグスティヌスは『告白』の時間論の中で、「過去は記憶の中にあり、現在は意識の中にあり、未来は期待と意欲の中にある」と言っています。学生たちが多くの人々との出会いや活動の中で、どのような人になるのか、どのように人生を生きるのか、という明確な意欲をもって学び、自分の未来を切り開いていって、幸いな人生を送ってほしいと願っています。(山田 耕太)