チャペルのひびき

祈ることもまた

今年度の正規のかたちでチャペル・アッセンブリ・アワー(CAH)を守ることができました。チャペルでは今年度のCAHの年度テーマ「隣人となること」について、ルカによる福音書に記された「善きサマリア人のたとえ」から学びました。また藤野豊先生の研究によって明らかにされた敬虔なる仏教徒、小笠原登医師のハンセン病の方々に尽くされた生涯の歩みも、隣人となるということの一つの尊いモデルを私たちに示してくれています。アッセンブリ・アワーにおいては、阿賀北ロマン賞、奨励賞授与式を行った後に、新潟県警の金田卓也先生より、薬物中毒に関するご講演をいただきました。薬物の種類について、そして一度はまったら抜け出すことが極めて困難な薬物中毒の恐ろしさを改めて教えられました。また、そこから立ち直ろうともがき苦しんでいる人々の存在も痛みをもって覚えます。祈ることしかできないもどかしさも覚えますが、それでも、祈ることもまた、隣人となること一つの在りさまなのだと思います。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「隣人となること」 宗教部長 下田尾治郎 先生
20160506チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「薬物乱用のない社会を」 新潟県警察本部 刑事部組織犯罪対策第一課 薬物銃器対策係長 金田卓也 先生
20160506チャペル・アッセンブリ・アワー2

<参加学生の感想>
感想1) 聖書に書かれている「隣人を自分のように愛しなさい。」これは人間関係における真理だと思います。僕の個人的な考え方では、隣人を自分のように愛することはとても難しいことだと思います。人間誰しもエゴを持っていて、自分優先な考え方が当たり前ではないか。そんな中で聖書が言う隣人を自分のように愛せというのは人によってできる人もいればそうでない人もいる。本当に難しいことです。大学でキリスト教に触れる中で更に隣人を尊重できる人になれたらいいです。
感想2) 敬和学園大学に入学するまでは、人々の悲しみや苦しみを自分に対する悲しみや苦しみと考えることなどはありませんでした。しかしこの大学に入りキリスト教をもとにした今までと違った考え方を知ることができました。これからもキリスト教を通して人々の悲しみなどを自分の悲しみなどとしてとらえることができるように成長していきたいです。
感想3) 薬物販売はすごく複雑になっていて知らず知らずのうちに巻き込まれてしまうことがあるのは大変怖いことです。手口もすごく巧妙になっているので対処するのが大変だけど、気をつけてもうっかりなんてことがないようにしたい。
感想4) 新潟には麻薬はないと思っていましたが、意外とたくさんの事例があって、自分たちの考えを改めなければならないと思った。新潟でも麻薬密輸事件があったことには驚きました。そして私たち日本人が運び屋にされてしまう可能性もあることにも知りました。薬物を使ってはいけない、誘われたら断わるということを今回の講演で学び、改めて薬物の危険性について再確認することができた。