学部・学科ブログ

砂防堰堤現地視察に行ってきました!

 共生社会学科の学生たちが、今年度からスタートした砂防サポーター事業の一貫として色々な砂防堰堤を視察しています。今回は11月22日に国土交通省飯豊山系砂防事務所 副所長の越野さんと日本工営株式会社 社会システム事業部防災マネジメント部 チーフスペシャリスト萩原さん達のご協力で羽越水害で被害を受けた場所とその災害を契機に建設された砂防堰堤を視察しました。

 今回の視察では、「七助沢砂防堰堤」「玉川スーパー暗渠砂防堰堤」「赤芝峡(赤芝橋)」「おぐに開発総合センター」「旧小国小学校」「飯綱橋」の6カ所を見学しました。

 最初に訪れた「七助沢砂防堰堤」は玉川の左支川七助沢に作られた不透過型の砂防堰堤です。不透過型というのは、土砂を完全にせき止める形のものです。近年は一部の土砂をせきとめる透過型の砂防堰堤の設置も増えています。どちらの形の砂防堰堤でも発生した土石流にて流れてくる土砂を止めることができ、下流の民家を守ります。

 実際の砂防堰堤を見るとかなりの高さがありましたが、もし砂防堰堤で防ぐことができない想定外の高さの土石流が襲ってきたら下流の民家はどうなるだろうか、この砂防堰堤が想定外の土石流を防ぐためにはさらに何が必要なのかと考えながら見学していました。

次は、玉川スーパー暗渠砂防堰堤に向かいました。

 この砂防堰堤は、半径5mの大暗渠を四門持ち、元の川の流れを遮らないために自然に近い形で魚の遡上が出来るなど環境面への配慮がされています。その他には土砂の調節機能があり平常時は下流に無害な土砂を流し、大規模な洪水の発生時には土砂の極端な流出を調節する機能を用いています。見学した際には細かい土砂だけでなく巨大な岩があり、川のパワーを改めて感じることができました。その他にもこの砂防堰堤には川の水がどのくらい増えたかを測る機械が設置されていて、研鑽を重ねた結果、景観を壊さず尚且つ土砂を抑える事が出来る砂防堰堤が完成したのだなと感じました。

 次に訪れた赤芝橋では現在では4代目の橋がかかっているのですが、水害で流された2代目、3代目の橋脚跡や橋桁が今も残っており、当時の橋の位置や人々の洪水との戦いの歴史を感じることが出来ました。

 おぐに開発総合センターでは、「巨石の復興記念碑」「禍ち転じて福となす」と書かれた石碑があり、その横には当時の水害の増水位が刻まれた石碑が設置されていました。そこに目線を合わせると当時どこまで水が増えていたかの目安になるそうなので、目線を合わせ、周囲を水がこの目安まで増水していたかを想像しながら見渡すと、おおよそ子供の身長どころか大人でも足が届かない水位まであるのでは無いかと、恐怖を感じました。

 その後見学した旧小国小学校では羽越水害当時の写真と近い視点で見ることができ、災害時の写真と見比べてみて目線の先に建っていた民家を目安にどこまで増水したかがよく分かりました。

 最後に訪れた飯綱橋では当時近くに建っていた神社も増水によって浸水してしまいましたが、水害に耐え、今も健在でありとてもタフです。また当時被害にあった女性の方のお話を聞くことができ、社員寮が飲み込まれていった等という聞いただけでも恐ろしい当時の貴重なお話を聞くことが出来ました。

 今回の砂防視察では羽越水害の説明や、砂防堰堤の解説を聞きつつ砂防堰堤や施設を見学していきました。

私は、その時その場に自分がいると考えながら各所を周り、この水害の被害や水害の恐怖、そして先人たちの知識と戦いの記憶を後世に伝え、未来に繋げていければ人々の記憶の中に残り続けると考えました。今を生きる人達に防災の知識を少しづつでも良いからつけていかないといけないと考えさせられ、そして今後私たちは砂防のグッズを作る上で単純にグッズを作るのでなく、今回得た知識を生かせることができ、少しでも手に取りやすいグッズを企画することが出来れば良いと考えました。

 

(本事業は、(一社)北陸地域づくり協会の研究助成事業により実施しました。)

 

(敬和学園大学 3年  大倉 来夢)

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