ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その1[2012-04-13]

ダビデが神の箱をエルサレムに運び上げた時点で、イスラエル十二部族を束ねる王国の基礎は固まったと見ていいでしょう。ここからダビデの王権がどのような形でどの息子に継承されていくのかを、サムエル記は描こうとしています。「ダビデ王位継承史」と呼ばれるこの歴史叙述の起点となるのが、妻ミカルです。「ダビデが家の者に祝福を与えようと戻ってくると、サウルの娘ミカルがダビデを迎えて言った。『今日のイスラエルの王は御立派でした。家臣のはしためたちの前で裸になられたのですから。空っぽの男が恥ずかしげもなく裸になるように。』ダビデはミカルに言った。『そうだ。お前の父やその家のだれでもなく、このわたしを選んで、主の民イスラエルの指導者として立ててくださった主の御前で、その主の御前でわたしは踊ったのだ。わたしはもっと卑しめられ、自分の目にも低い者となろう。しかし、お前の言うはしためたちからは、敬われるだろう。』サウルの娘ミカルは、子を持つことのないまま、死の日を迎えた。」(下6章20節~23節)
サウルの娘ミカルに子供が生まれなかったというこの一文を起点に、ダビデ王位継承史が始まります。叙事詩の記者もそれを編纂した後代の歴史家も、ミカルに子供が生まれていたならば、歴史は異なった展開を見たはずだと感じていたのです。(鈴木 佳秀)

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