ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その101[2014-04-04]

「王はまた祭司アビアタルにこう言った。『アナトトの自分の耕地に帰るがよい。お前は死に値する者だが、今日、わたしはお前に手を下すのを控える。お前はわたしの父ダビデの前で主なる神の箱を担いだこともあり、いつも父と辛苦を共にしてくれたからだ。』ソロモンはアビアタルが主の祭司であることをやめさせた。こうして主がシロでエリの家についてお告げになったことが実現した。」(列王記上2章26節〜27節)アドニヤ派の処分をソロモンは実行したのです。アビアタルは、サウル王の刺客を逃れて逃亡生活を送っていた危機の時代を、ダビデと共に生きてきたヤハウェ祭司でした。その頃の苦労について、ダビデ王が宮廷で語っていたのでしょう。ソロモンはその話を聞きながら育ったと考えることができます。彼を刺殺することはせず、ヤハウェ祭司の資格を取り上げた上で、自分の土地に帰れと命じています。その約三百年後にアナトトから預言者エレミヤが登場し、ダビデ王家の滅亡を預言しています。「主がシロでエリの家についてお告げになったことが実現した」という注記は、歴史書を編纂した後代の歴史家が挿入した言葉です。サムエルがシロのエリのもとで仕えている時に、神の人が告げたエリ一族の終わりに関する言葉が残されています(サムエル記上2章27節〜36節)。戦場に神の箱を担ぎ込んで勝利を呼び込もうとして失敗し、エリの息子たちは殺され、箱も奪われたのです。その知らせを聞いたエリも自分の席から仰向けに落ちて死んでしまったのです。アビアタルへの処分と直接の因果関係はありませんが、権力闘争の結果、エリにまで遡るヤハウェ祭司がソロモンの宮廷から排除された事実に注目していると言えます。(鈴木 佳秀)

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