学長室だより
中学生の質問に答えて
秋晴れの空に、街中の銀杏並木の紅葉が映えるころとなり、コートが必要になり始めました。
今ごろは毎週のように、進路選択のために先生に引率されて数十人の高校生が大学見学に訪れます。最近では高校2年生から1年生に低年齢化する傾向が見られます。今年はさらに低年齢化して、いくつかの近隣の中学校から中学3年生が大学見学に来るようになりました。
大学では滞在時間に応じてプログラムを用意し、私は毎回5分ほどの歓迎のあいさつをしています。あいさつの冒頭では、10代後半から20代前半までの10年間は、平均寿命で男性80才、女性87才まで生きる人生で、最も大切な時期であり、その時期をどのように過ごし、どのような進路選択をするかが、その後の一生を決めることになることを自覚してほしい、と訴えてから助言します。
先週は隣の胎内市の中学生が来学しましたが、前もって質問があり、その中のいくつかを私も答えました。大学名の由来や本学の特徴は即座に答えられますが、「誇りはなんですか」という質問には少し考えました。学生、教職員、教育内容、施設などを挙げることもできますが、私の脳裏に即座に浮かんだのは、地域学入門で学生たちにスライドで紹介した歴史です。本学園の高校は49年、大学は26年の歴史しかありませんが、120年前に閉校になった明治のキリスト教学校を復興させた歴史があります。木は枯れたのですが、根が残っていたのです。(山田 耕太)