チャペルのひびき

生涯を決定づける光景[2017-06-09]

藤野豊先生が、先生のその後の研究と人生にとっての原点ともいうべき、1985年、大阪、通天閣から眺めた対照的な南北二つの光景についてお話しくださいました。また、その時、先生がゴーストライターとして働いておられた出版社の編集長さんからの「南と北、どちらにいくねん?」との問いかけについても。その問いをきっかけに、先生は、富と華やかさを象徴する北ではなく、悲惨と悲しみに満ちた社会、またその中で人権を踏みにじられながら生きる人々の住んでいる南こそが、ご自身が生涯をかけて踏み入るべき方角と心に思い定められたとのことでした。敬和学園大学でのお働きも、先生のその歩みの延長線上にあることを、校歌の歌詞を引き合いに出されながら教えてくださいました。また、敬和で教鞭をとることのできることを、この上なく幸いなことに思っておられるとのことも。アッセンブリ・アワーにおいて、日本YWCAの山口慧子先生も、同様のことをお伝えくださったのだと思います。弱き立場に置かれた人々、傷ついた人々に寄り添い連帯を培うことを通して平和を創り出してゆくことの大切さについて深く教えられました。山口先生も、ご自身の生きてこられた歩みとその途上で与えられた決定的な出会いについて触れながら、このことをお話しくださったと思います。敬和に学ぶ一人ひとりの学生にもまた、生涯の歩みを決定的に方向付けるような(人との、あるいは言葉との)出会いと光景が与えられますよう心から祈ります。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「1985年大阪の夜」 教授 藤野豊 先生
20170609チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「女性たちによる、全ての人の平和-国際NGO、YWCAの働き-」 日本YWCA 山口慧子 先生20170609チャペル・アッセンブリ・アワー2

<参加学生の感想>
感想1) 貧困、差別や戦争・紛争の話題というのは、暗いイメージが強くて避けられがちなものですが、今こそ世界のそのような地域に目を向けていくことが大切だと、藤野先生や山口さんのお話を通して感じました。
感想2) チャペル・アワーでは藤野先生が大阪にいたころの話をされた。通天閣の南と北ではまったく景色が違う。北はビルが建ち並び、にぎわっていて明るい。南は部落などの町だ。どちらを研究したいのかと問われたとき、先生は「南」と答えた。このできごとが敬和大で働く原点だと思った。北か南か、どちらを選ぶのかと言われたらどうだろうか、実際にその人たちのために行動できるのかは別の問題だろう。しかし、今でも「南」と答えたときの自身の精神を大切にされている藤野先生は素晴らしいと思います。
感想3) アッセンブリ・アワーではYWCAの活動についてのお話。その中で「弱は力になる」という言葉を知って、人は傷ついたり、苦しんだりすることが、他人に優しくするための力になるのだと思った。自分も苦しんだからこそ人の痛みが分かる人になる。苦しんでいる人の話を聞いて共感し励ますことが、どれだけ重要なのかを改めて考えさせられました。
感想4)戦争などが原因で、幼い少女が無理矢理に結婚させられるのは、自分だったらとても嫌いだし、とても苦しくて悲しいことだと思った。一人ひとりが平和を考えていけたらよいだろう。世界の一人ひとりが当たり前のことをあたりまえにできる、そんな本当の平和が早く来たらいい、そのために一つひとつの小さいことからでも私たち若い世代から知っていくこと、できることを行うことが大切だと感じた。

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