チャペルのひびき

行って、あなたも同じようにしなさい

チャペル・アワーは、山田耕太学長先生が、「ルカ福音書」に記された有名な主イエスの語られた「よきサマリア人のたとえ」をテキストにメッセージを語ってくださいました。このたとえが語られた文脈、イエスと律法の専門家のやり取りを丁寧にたどられつつ、大事なのは、知識を知識に終わらせずに、それを実行に移すことであると教えてくださいました。知識もあり、理解力にも優れた学者に足りなかったものは、実践に他ならないとのこと。「行って、あなたも同じようにしなさい」との主イエスの言葉は、「実践するリベラルアーツ」をモットーに掲げる本学にとっても、私たち一人ひとりにとっても、大切な問いかけの言葉であることに気づかされました。アッセンブリ・アワーでは、「フードバンクしばた」代表の土田雅穂先生が、多岐にわたるその活動内容について、ご紹介くださいました。この新発田の街にも、一日一日をやっとのことでつないでいる方々がたくさんおられこと(また私たちも同じような境遇にいつでもなりうること)を教えられました。そのような過酷な現実を直視しつつ、実践を通して多くの人々を支援されている土田先生たちの活動に、先のイエスの言葉が重なりつつ、聞こえてくるように思いました。必要に迫られてなされているそのお働きですが、それだけにとどまらず、多くの喜びの伴う祝福に満ちた業であることも、先生は最後に添えてくださいました。あたかも私たちへの招きの言葉のように。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「よいサマリア人」  学長 山田耕太 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「フードバンクしばたの活動について」 フードバンクしばた事務局長 土田雅穂 先生

<参加学生の感想>
感想1) サマリア人が追いはぎに襲われた人を救ったのは、自分も迫害されている立場であり、その痛みを共有できたからだと思う。日本は学歴を気にし過ぎているが、「よきサマリア人」の話が知れ渡っている外国では、倫理観で人を判断することが多い。以前、外国の人は、いじめを見つけると、すぐに手を差し伸べることが多いというのを聞いたことがある。日本人はもっと「隣人」について考えるべき。      
感想2) 隣人を神のように愛することで、殺生や盗みをしないという究極の考えを、考えるだけでなく、実行することでそれが意味をなすという言葉を聞いて、有言実行ということを思い出しました。隣人といっても、ただ隣の人を愛するのではなく、同国人を愛することで、前半言ったことはなくなると合理的だなと思いました。困っている人を助ける。これはよきサマリア人というのであって、日本はこういうことが少ないなと感じました。土田さんは、役所勤務を経て、貧困で困っている世帯に生活物資を配っているというのを聞いて、人ごとでなく、そういう可能性が僕たちにもあるのだなと、非常に感動しました。新発田市で、10万人のうちの1,000人くらい、その1,000人のために食べ物を配っていて、自分は家族に食べさせてもらえて幸せだなと改めて感じました。さらに、日本は生活保護の認識を変えないといけないなと感じました。
感想3) 土田さんの講話では、貧困家庭の多さに驚きました。今まで私は、ある程度裕福な暮らしをさせてもらっていたんだと、映像や一人暮らしをしてみて気づかされました。私もフードバンクを利用させてもらっていますが、とても助かっています。本当に感謝していますし、今は思いつきませんが、いつか恩返しをしたいなと感じています。食べ物を提供してくれる企業や個人の方の側にもいつか回れたらいいなと思いました。見えないだけで、特に母(父)子家庭の貧困はとても深刻化しており、見過ごせない状況だということを、多くの人に知ってもらう必要があると思います。私もそういった記事をみかけたら、SNSで拡散してみようかなと思います。苦しいけど声を上げられない方たちに寄り添って、さまざまな活動をしている機関をもっと多く、広くしていかないと、苦しむ人が増えるだけなので、公的な機関もそういった事業を支援しないといけないと感じました。