チャペルのひびき

よき言葉との出会いに向けて

前期最後のチャペル・アッセンブリ・アワー(C.A.H.)は、山田耕太学長先生がご担当くださいました。旧約聖書の中心的人物の一人、モーセの生涯を、名画をとおして丁寧に教えてくださいました。ルネッサンスを代表する芸術家ミケランジェロの彫刻やマルク・シャガールの絵画に描き出されたモーセによって、「聖書」の湛える豊かな世界を、一層、深く受け止める機会を与えられ幸いでした。また、モーセをとおして神さまがなされた出エジプトの際にイスラエルの民に神がお与えになられた「十戒」について、そこに込められた現代を生きる私たちにとっても大切なメッセージを学長先生は説き明かしてくださいました。
9月23日から後期のチャペル・アッセンブリ・アワーがスタートします。チャペル・アワーにおいては、聖書をとおして神の言葉が語られ、そこに込められた大切なメッセージが説き明かされてゆきます。アッセンブリ・アワーにおいても、励ましに満ちた多くの言葉が語られることでしょう。人生の指針となるよき言葉との出合いを祈ってやみません。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「名画で見る旧約聖書物語 モーセと十戒」 学長 山田耕太 先生

<参加学生の感想>
感想1) 今回は、聖書の舞台となった時代背景や、聖書の物語の歴史的背景、十戒と特にモーセとの関係について、学ぶことができた。キリスト教学では聖書をすべて読むというわけではないし、聖書の物語の舞台となった時代や歴史的背景など詳しく学んでいたわけではなかったので、今回そのような機会を持つことができてよかった。また、キリスト教学の中で十戒については学んでおり、その教えは知っていたが、十戒とモーセとのつながりについてはそこまで詳しく知らなかった。そして、「すべての生きとし生けるものが存在するのは神が存在するからだ」という言葉が印象に残った。「人が生まれることは奇跡だ」という言葉をよく聞くが、「生まれる」とは「神によって生まれさせられる」ということであり、私の持っていた、「I was born」はなぜ受け身になるのかという疑問も同時に解決した。十戒には今の時代にも通用する教えが多いため、それらを実践して生きることが重要なのだと改めて思った。
感想2) モーセと十戒のお話は、キリスト教学の授業でも特に印象に残っていた箇所なのですが、それを名画から見るのが新鮮でおもしろいなと感じました。今回のお話の中で、初めて目にする作品が多かったのですが、ある程度聖書の内容や歴史のできごとを知っていると、そこからさまざまな解釈をすることができるのだと分かりました。特に印象に残っていた絵画は、モーせが石の板を割ろうとしていた作品です。これはモーセが山から下りてきたときに、人々が偶像崇拝をしていたことが分かり、怒りのあまりに石を割ってしまうという一連の流れから抜粋したものです。石は固くて重いものですが、絵画の中のモーセが石の板を頭の上に持ち上げていたことから、怒りの感情が強く伝わってくるようでした。また、いくつかの作品をとおしてモーセと十戒は、宗教に関係なく現代の人々に愛の大切さを伝えているのだというお話が印象に残りました。宗教的なものだと非難せずに、一つの芸術作品として楽しみたいと思いました。
感想3) モーセの十戒には、四戒まで神と人との関係だが、5から10までの戒は人と人との関係に関する戒律。ここで気づいたことは2つある。1つは戒律の内容、「あなたがた」ではなく「あなた」と、記してあることだ。イスラエルの民、一人ひとりの個人がこの戒律を守れということなのだと思った。2つ目は「人と人との戒律」の内容は現代のルール、法律とさほど内容は変わっていないということだ。特に、殺すな、姦淫するな、盗むな。この戒律は今でも当てはまることである。第五戒の「あなたの父と母を敬え。これは、あなたの神、主が賜わる地で、あなたが長く生きるためである。」という言葉は特に印象に残っている。父と母を敬う。これは当たり前のことだが、自分を振り返ると最近感謝の言葉を伝えていないなと思う。両親を大切にする人には祝福が訪れる。また久しぶりに両親に連絡してみようかなと思った。