学部・学科ブログ

ソーシャルワーク実践から学ぶ~Inter-Change(新潟県社会福祉士会 自主活動グループ)~

Inter-Changeはソーシャルワーカーと学生、社会が交わる機会を創出することを目的として(公社)新潟県社会福祉士会の自主活動グループとして立ち上げられました。このグループを立ち上げた3名のソーシャルワーカーが、11月1日から3回にわたり、本学のソーシャルワーク実習指導に協力してくださいました。それぞれ90分という限られた時間で、自己紹介(福祉の仕事についた理由や経歴)、事例紹介、ワークショップを行ってくださいました。
ここでは、そのようすを、それぞれの回で学生が提出したコメント(100文字以内で作成します)とともに紹介します。

11月1日(水)
高齢福祉分野から、地域包括支援センターやまぼうしのソーシャルワーカー、石坂さまは、初めは病院のMSWだったそうですがその後地域包括支援センターでの仕事に関心をもち転職、担当地域の高齢者やその家族等の相談にのりつつソーシャルワークを実践しています。

初回は地域包括支援センターの石坂さん

【講師が伝えたことの要点】
・ソーシャルワーカーは、クライエントの「できないこと」ではなく「できること」に視点を当て、向き合い、支援することが大切である。クライエントが持っている力を信じることでより良い働きかけを行うことができる。(100文字)
・クライエントが困り事を抱えた状況に至るまでには、必ず背景となる過去の出来事や事情がある。現状だけを見て判断するのではなく、まだ語られていない背景を理解しようとすること、傾聴を行うことが重要である。(98文字)
・地域包括支援センターの社会福祉士は、サービスありきではなく、その方の思いを聞くことが重要となる。本人は家族に迷惑をかけたくないと本心を隠してしまうこともあるので、真のニーズを見極めることが重要である。(100文字)
・クライエントが「今」に至るには必ず「背景」があり、物語が存在する。背景を見ずに、今の状況だけでクライエント自身を判断するのではなく、ソーシャルワーカーとして、物語を引き出し聴くことが大切である。(97文字)

【印象に残ったこと】
・グループワークで話し合った事例の当事者の本当の思いを聞いて、現状や憶測だけで判断することの危険さを実感した。生きづらさの根底にあるものは計り知れないため、真摯に向き合い、聴くことが大切だと感じた。(98文字)
・事例のAさんの現状を聞いた際、Aさんは怠けていると感じてしまったが、グループワークや本人の声を通じて、Aさんは自信を失ってしまっていることがわかった。現状だけで判断しないように気をつけようと思った。(99文字)
・Aさんの事例を読んで、私はAさんの心の問題やAさんの私生活に着目しながら解決策を考えた。しかし、解説を聞いて、Aさんの両親の行動、Aさんの生まれ育った環境にも焦点を当て、考える必要があると学んだ。(98)

11月8日(水)
独立型社会福祉士事務所の土田さまは、福祉ではない分野の大学を卒業していくつかの職を経験したのち、高齢者施設で介護職や生活相談員として勤務した経験と、その後独立に至るまでのお話をしてくださいました。

第2回目は社会福祉士事務所をひらいた土田さんです

【講師が伝えたことの要点】
・カンファレンス等を行っている際、様々な専門職が集まるが故に、クライエントに対する視点も様々となり、意見が食い違う時がある。そんな時も、意見を否定することなく、全体を通した最善策を考えることが重要だ。(99文字)
・生活相談員は直接的に食事や入浴介助等の支援を行う介護職とは違い、間接的な支援を行う。利用者の家族やケアマネージャーとやり取りをしたりカンファレンスを開催したりする等プロデューサーのような役割を担う。(99文字)
・支援する側の気持ちは表情や態度、仕草等から支援を受ける側に伝わってしまう。そのため、辛いという気持ちを持った状態で支援を行うことは難しい。身体面でも精神面でも自分に余裕を持つことが大切である。(96文字)
・実習の際には、働く人の行動や表情を見る人間観察、働く場合を想定して行動するタイムマネジメント、リーダーや上司からの指示の観察を大切にすると良い。これらを意識する事で良い実習を送る事ができる。(95文字)
・介護職の仕事内容は、おむつ交換や食事介助等、主に直接的な支援が中心である。それに対し、生活相談員の仕事内容は家族やケアマネージャーとのやりとりやカンファレンスの開催などの間接的な支援が中心である。(98文字)
・ただ利用者を助けるだけでは、ソーシャルワーカーとして望ましくない。クライエントに過度に干渉せず、クライエントの強みを引き出すことが、ソーシャルワーカーとしての理想の姿である。(87文字)
・介護というのは、クリエイティブな仕事である。利用者の何気ない日常をウェルビーイングに溢れたものへと変化させていくために、毎日の介護現場での対話を通して、創造していくことが求められる。(92文字)
【印象に残ったこと】
・介護施設で実際にあった事例を用いてグループワークを行ってみて、リアルな話し合いの様子を見ることが出来た。どんな時でも、クライエント、またその家族の気持ちを尊重できる支援ができるようにしたい。(95文字)
・私は完璧を求めてしまうところがあるため、ベストよりもベターを目指すと良いという言葉がとても印象に残った。行き詰った時は今回のお話を思い出して「より良い」支援を行えるソーシャルワーカーになりたいと思う。(100文字)
ある介護施設についての事例を実演してもらい、それぞれの役の気持ち等を感じたままに書き出した。私は特に、Aさんが自分の意思をしっかり伝えられないまま話し合いが終わってしまったのではないかと感じた。(97文字)
・私は高齢分野は大変そうだと思っていましたが、夜勤が楽しい、チームで支援をすることが燃える、自分の実生活で楽しいと思えることが活かせるなど、やりがいを感じることを言っていただけたので、興味が湧きました。(100文字)
・介護施設で実際にあった事例を用いてグループワークを行ってみて、リアルな話し合いの様子を見ることが出来た。どんな時でも、クライエント、またその家族の気持ちを尊重できる支援ができるようにしたい。(95文字)

11月15日(水)は、障がい福祉分野からあおの風の渋谷さまです。思いがけず障がい福祉分野で仕事をすることになり異動もあったが、いまの仕事では幼児から関わる機会があり、クライエントの人生の節目節目を支援することで大きなやりがいを得ることができている、という話をしてくださいました。

3回目の渋谷さんは障がい福祉事業所の相談支援専門員です

【講師が伝えたことの要点】
・様々な分野の幅広い知識を持っているという「ジェネラリスト」であることが、今の社会福祉士には求められる。それにより、ひとつの問題に様々な分野の視点を持つことができ、より利用者の思いに近付くことが出来る。(100文字)
・言語化して表現するのは大切なことだ。自分が見つけたことや考察したこと、分からないことを上手くまとめることができなかったとしても、言葉にして伝えたり書いたりすることで考えや情報を整理することができる。(99文字)
・相談支援専門員にはクライエントに最善の支援を行うために本人や家族との関わりの中で主訴を掴む力が求められる。また、様々な幅広い分野の知識を併せ持つジェネラリストであることも重要である。(91字)
・相談支援専門員にはクライエントに最善の支援を行うために本人や家族との関わりの中で主訴を掴む力が求められる。また、様々な幅広い分野の知識を併せ持つジェネラリストであることも重要である。(91字)
・社会福祉士のあるべき姿は、悩み、揺らぎ続けることである。対象者が人であるため、簡単に問題解決はできない。そこで、自己責任論ではなく、様々な角度から物事をみて、様々な考え方や価値観に触れることが大切だ。(100文字)

【印象に残ったこと】
・相談支援専門員として、利用者と小さい頃から関わる場合もあると知り、人と人同士の関係が大切になってくる仕事だと感じた。つまり、コミュニケーション能力が必要になってくるから、少しづつ向上させていきたい。(99文字)
・趣味のポケモンの話や線香のことが気になる話など、常に笑いをとれる渋谷さんの話術が印象的だった。自分は大勢の人の前で話すことが得意ではないので、渋谷さんのように話上手な大人になりたいと思った。(95文字)
・事例問題を考えてみて、私の考えは支援者主体の考えよりであった事に気づいた。それは、相手の気持ちの理解が十分に出来てないからだと感じたので様々な考え方や価値観を学び、考え方を多様にしていきたいと思った。(100)

【3回の講義をまとめたもの】
・3回の講師の方の授業を聞いて、現在実際に現場で働いている方の生の声を聞くことが出来、とてもいい経験であった。本当はどう思っているのだろう等の本人の本心を掴めるソーシャルワーカーになりたいなと感じた。(99文字)
・現職の方から3週もお話を聞ける貴重な機会だった。自身の実体験などを織り交ぜて話してくれていたので、とてもイメージが湧きやすくて聞きやすかった。様々な事例に触れる機会も多く、とても視野が広がったと思う。(100文字)
・3回の授業を終えて思ったことは、ソーシャルワーク実習指導の中で一番楽しい時間だったということです。現場で働く人たちと言葉を交え、自分が知らないことを知ることが出来ました。お三方には感謝しかないです。(99文字)
支援者について、今までは支援者がクライエントをリードして解決に導くために、解決方法を教えるというイメージだった。しかし、クライエント自身が解決の為に考えることを支援することが重要だと知った。(95字)

 

 

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