ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・サウルの活躍その8[2010-12-17]

サムエルはサウルに油を注いだのですが、まだ全イスラエルの認知を得ていることではありません。油注ぎは個人的で私的なものだったからです。民をミツパに集めサムエルは彼らに通告しています。「イスラエルの神、主は仰せになる。『イスラエルをエジプトから導き上ったのはわたしだ。わたしがあなたたちをエジプトの手から救い出し、あなたたちを圧迫するすべての王国からも救い出した』と」(サムエル記上10章18節)。「イスラエルの神、主は仰せになる」という口上は、メッセンジャーの語り口です。神から伝えられた言葉を、神のメッセンジャーとして、神の一人称で聞き手に語る類型です。古代東方やパレスチナでは、王の使いは皆このような類型にのっとって相手に一人称で王の言葉を通告したのです。語れと聞かされた言葉を誤りなく相手に伝えるのが、使者の命でした。
続けて「しかし、あなたたちは今日、あらゆる災難や苦難からあなたたちを救われたあなたたちの神を退け、『我らの上に王を立ててください』と主に願っている。よろしい、部族ごと、氏族ごとに主の御前に出なさい」とサムエルは命じます。神の選びを、サムエルは、公的に民に認知させようとしているのです。(鈴木 佳秀)

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