ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その36[2012-12-14]

「ダビデの兄弟シムアの息子ヨナダブが断言した。『主君よ、若い王子たちが皆殺しになったとお考えになりませんように。殺されたのはアムノン一人です。アブサロムは、妹のタマルが辱めを受けたあの日以来、これを決めていたのです。主君、王よ、王子全員が殺害されたなどという言葉を心に留めることはありません。亡くなったのはアムノン一人です。』」(サムエル記下13章32節〜33節)
こう語ったヨナダブですが、彼こそアムノンに秘策を授けた男です(13章3節)。その男が王に語っている言葉は、偽善と呼ぶのが最も相応しいでしょう。「亡くなったのはアムノン一人です」と語る際に、心の痛みを感じていたとは考えられません。タマルを騙してアムノンに陵辱させた責任も、またアブサロムがアムノンを殺害した事件についても、自分が絡んでいたという自覚が全くないからです。ヨナダブも王の傍らで衣を裂いた一人でしょう。ですが、王の嘆きをどのように受けとめたのかについて聖書は何も伝えていません。「王子全員が殺害されたなどという言葉を心に留めることはありません」と言い、また「アブサロムは、妹のタマルが辱めを受けたあの日以来、これを決めていたのです」という発言は卑劣です。アブサロムにすべての罪を着せ、自分は関係していないと言わんばかりに、責任逃れの言葉を口にしているのは明らかだからです。(鈴木 佳秀)

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