ダビデの物語(3代目学長 鈴木佳秀)

ダビデの物語・ダビデ王位継承史その50[2013-03-29]

「王が出発し、人々は皆、その後に従った。一行は、まず離宮のところで歩みを止めた。家臣がまず王の傍らを通り、次いでクレタ人全員とペレティ人全員、それに続いてガトからダビデに従って来た六百人のガト人が王の前を通った。」(サムエル記下15章17節〜18節)この何げないメモは、王に従った軍隊の全容を物語ります。サウル王と違い、ダビデは、部族の若者たちからなる召集軍でなく、王に個人的に忠誠を誓う親衛隊を組織していたのです。列挙されているのは非イスラエル人で、すべて外国人傭兵隊です。かつての宿敵であったペリシテのガト人が六百人もダビデに従っていることには驚かされます。彼ら軍人階級は、都市国家の王に雇われて常備軍の一翼を形成していたのですが、ペリシテがダビデに屈した後、新たに召し抱えられて王の親衛隊となったのです。イスラエル諸部族の伝統にはない、カナン都市国家の伝統でした。
王を守る軍隊は外国人傭兵隊しかいないという現実は、アブサロムが北の諸部族の支持を取り付けていたこと、ユダ部族の中からも、エッサイの息子ダビデが即位したときに、官僚組織や軍の枢軸から外された若者たちがアブサロム側についたからです。召集軍を構成していた部族の兵員が、ほとんどアブサロム側についたことを物語ります。ダビデが王宮を脱出しなければならないのは、こうした状況に陥ったからです。しかも敵は、自分から王位を奪った息子アブサロムです。(鈴木 佳秀)

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