学長室だより

2002年10月4日号

「読書の秋」です。こういっても学生諸君にはぴんとこないかもしれません。日本人は伝統的に秋は読書の季節だと考えてきました。ぜひ、これはと思う本と取り組んでください。古典といわれるような文学、歴史、哲学の本であれば、何を読んでも諸君の精神の成長に役立ちます。先月函館の遺愛女子高等学校を訪れたとき、校長先生から聞いた話ですが、遺愛では毎朝の礼拝の始まる前にホームルームで10分間だけ生徒に本を読ませることにしました。雑誌やマンガ以外ならどんな本でもいいとのこと。いま生徒たちに一番人気のあるのは「ハリー・ポッター」だと聞きました。そしてこの静かな10分間読書のあとの礼拝では私語する生徒が激減し、礼拝が静かに守れるようになったそうです。実際ぼくもチャペルの礼拝に出席しましたが、満員でありながら、本当に静かであり、奨励を担当した女の先生の声が満堂に響きわたりました。(北垣 宗治)