学長室だより
2002年11月1日号
誰にも例外なく、父と母という2人の親があり、4人の祖父母があります。ぼくの場合、これら6人の近親が何歳まで生きたかを振り返ってみると、母方の祖母が80代なかばまで生きたのが最高で、現在73歳であるぼくと比べると、あとはみな比較的早くに死んでいます。ぼくの母は35歳、父の母は20代で病死しました。父は68歳、父の父は64歳で病死。家系からすると、ぼくは断然長生きをしたことになります。ではその原因は何であったのか。学生時代のぼくは、二晩連続の徹夜でギリシア語やドイツ語の予習をしてみたり、貧乏学生だったので食堂に行ってもたいていご飯と味噌汁と漬け物ですませていました。無知に基づく無茶を相当やったものです。しかしさいわい、結婚後は妻の栄養的配慮が行き届き、それまではあまり食べなかった野菜を努めて食べるようになりました。近親たちは人間ドックという制度さえ知らずに死んだと思います。学生諸君に言いたいことは、常にバランスのとれた栄養補給 に努めなさいという、まことに当たり前のアドバイスになってしまいます。(北垣 宗治)