学長室だより

喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く人に

少雪だった今年も6月に入っても飯豊山系の谷間に雪渓がまだ残っているのが見えます。

先週月曜日(5月30日)には、本学卒業後に聖学院大学で修士課程と博士課程を終えて、博士号を得た卒業生の島田裕子さんのささやかなお祝いの会をいたしました。島田さんの博士論文は、マルコ福音書に記されたイエスの13の奇跡物語を現代の死生学、スピリチュアルケア学、悲嘆研究などの視点から分析したユニークな研究です。敬和と聖学院で学んだ実です。ゲルト・タイセンの社会学的視点からの奇跡物語研究のモティーフ分析を土台にしていますが、それを越えて奇跡対象者の病人などの当事者の視点から分析した現場からの研究で、教育現場で生かされます。

2016.6.10学長ブログ

研究発表をする島田裕子さん(中央)

 

本学はアメリカのリベラルアーツ・カレッジと同様に大学院を設置していません。だが、英語文化コミュニケーション学科卒業生の荒木陽子さん、国際文化学科卒業生の何為民さんに続いて3人目、共生社会学科卒業生では初の博士号取得者となりました。心からお祝いを申し上げます。

先週水曜日(6月1日)には、共生社会学科の3年生が社会福祉の実習を直前にして、志半ばにして急逝しました。お通夜と葬儀には学科やサークルの仲間など多くの学生が参列しました。「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く人」(ローマ12:15)でありたいです。ご家族の皆さんの上に慰めと平安が豊かにありますように心からお祈りいたします。(山田 耕太)