学長室だより
ユニークな敬和教育:キリスト教教育の連携
刈り入れが始まった黄金色の田と対比して西の空を真紅に染めた夕焼けが美しい時となりました。
学校法人敬和学園・敬和学園高校は、おかげさまで創立50周年を迎えました。大学は27年目に入っています。この間に高校は8千人以上、大学は4千人以上の卒業生を社会に送り出してきました。今までのご支援を心から感謝申し上げます。また、今後も変わらないご支援をよろしくお願いいたします。
今年は敬和学園創立50周年であるばかりでなく、世界史的視点で見れば、ルター宗教改革500周年の年です。敬和学園は、東京では青山・立教など、関西では同志社・関西学院などが属するキリスト教学校教育同盟の学校・大学と連携しています(2015年7月3日「学長室だより」Q&A11、参照)。
キリスト教学校教育同盟は107年前に9校で始まりました。政府は1899年(明治32年)に諸外国の要求に応えて、外国人が「居留地」以外のどこにでも住め、どこでも旅行できる政策(内地雑居)を取りました。それと連動して同年に文部省は日本のキリスト教化を恐れて、学校でキリスト教を教えることを禁じ、キリスト教を教える学校を認可しない「訓令第12号」を出しました。これに対してキリスト教学校が連携して働き続けた結果、10年後には文部省はキリスト教教育を黙認しました。
現在、キリスト教学校教育同盟には104法人、57大学が属しています。30万人以上の生徒・学生がそこで学んでいます。キリスト教の入学式・卒業式・学校行事、毎週の礼拝、聖書の教育などが共通しています。104法人の半数以上は、100年以上の歴史があります。敬和学園はその中で最も若い加盟校の一つです。詳しくは「キリスト教学校教育同盟の中の敬和学園」(『人文社会科学研究所年報』No.14, 2016年、特に26頁の一覧表、その後2法人が加わりました)をご覧ください。また、キリスト教学校教育同盟百年記念誌『創立の礎』「神を敬い 人に仕える 敬和学園」2011年も参照ください。(山田 耕太)