学長室だより

光に向かって はって行け

クリスマスおめでとうございます。クリスマスを祝う習慣はいつから始まったのでしょうか。2、3世紀にキリストの誕生日がいつかという探求が始まり、最初は春が誕生日と考えられていました。12月25日にクリスマスを最初に祝った記録が残っているのは4世紀(336年)のローマです。

ロ-マ帝国の西側ではローマ兵にペルシャの太陽神ミトラ教が浸透し、ローマ軍の移動と共にミトラ教がローマ帝国内に広まっていました。キリスト教はミトラ教に対抗して、そのころの暦で冬至の日であったミトラの誕生日12月25日とぶつけて、真の神の子はミトラではなくキリストであると12月25日を誕生日にしました。

ローマ帝国の東側ではエジプトの宗教イーシス崇拝が広まり、オシリスとイーシスの子のホルスの誕生日に対抗して、真の神の子はホルスではなくキリストであると、1月6日をキリストの誕生日にしました。その後、東西教会が一致して、12月25日をキリストの誕生日、12月25日から1月6日までの「12夜」をクリスマスと定めました。キリスト教の暦ではクリスマスは1月6日まで続きます。

クリスマスの祈りは、「あけぼのの光」を見て「神を待ち望む」姿勢を持ち続け、「異邦人の光」に導かれて「平和への道」希望の世界を創り出していく祈りです。それは今年度のノーベル平和賞受賞演説で被爆者のサーロー節子氏が述べた結びの言葉「光に向かって はって行け、あきらめるな」に導かれて爆心地でがれきの中から脱出した経験に象徴されます。現在の危機的で閉塞的な状況にあきらめないようにしましょう。(山田 耕太)

2017.12.22学長ブログ

学生と教職員手作りのステンドグラス