チャペルのひびき

新たな道徳心の目覚め

山田耕太学長が、オバマ米大統領の『広島演説』を取りあげられ、その意義について教えてくださいました。その演説の基とされているのは、すべての命は尊く、私たちはたった一つの人類の一員である、という聖書に由来する考えであること。また、そのような多くの大事な命が失われた広島と長崎を新たな道徳心の目覚めの始まりとしてとらえ直すことの大切さが、その演説の核心にあることを知らされました。アッセンブリ・アワーでは、ドキュメンタリー映画の製作者でもあり監督でもあられる林雅行先生が、これまでなさってこられたお仕事についてお話しくださいました。その多くは、戦争や国策において有無を言わさぬ形で人権を踏みにじられてきた人々たちに焦点を当てたものでした。知らぬことは、ある意味において、罪なことだと思わされました。林先生が映像において教えてくださったような人々がおられたのと同じく、今もなお、私たちの周りに、また遠くに、人として生きる権利を奪われながら生きている人々がいるに違いありません。その人たちの存在を意識し、知り、隣人となることの可能性を探ってゆくこと。これも大学における大切な学びの一つであり、新たな道徳心の目覚めと言ってよいと思います。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「オバマ大統領の広島演説」 学長 山田耕太 先生
20160701チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「ドキュメンタリーにこだわり、映画・TVをつくる」 株式会社クリエイティブ21代表取締役・映画監督 林雅行 先生
20160701チャペル・アッセンブリ・アワー3

<参加学生の感想>
感想1) オバマ大統領の広島演説からタイムリーな講話で興味深く聞くことができました。戦争の話を伝えてくださる方々が年々少なくなっていき、いずれはいなくなり、長い歴史の中のほんの一部として扱われてしまうことに対し、私たちは不安どころか恐怖の方が大きいです。そのような言葉で伝えられなくなっている中、私たちやこれからの世代に残すには、分かりやすく手軽に観ることができる映画だと思います。林先生は「戦争」をテーマにした作品が多いことは知っていましたが、まだ観たことがありません。映画を観ていろいろなことを吸収し、学んでいきたいと思いました。
感想2) 林雅行監督のお話は衝撃的でした。チェルノブイリの医師が5年後甲状腺ガンの子どもたちが続出するとの情報に驚きました。日本にこれからおしよせる恐怖。それは林監督がこれまで取材し、人々に知らせてきた映画・画像を私たちが見て学び、なぜそのような日本の社会が形づくられてきたのか、歴史と真実を知り、ひとつひとつの洞察と繰り返してはならないものを知り、繰り返さない決意をもつことだと思いました。とても貴重なお話でした。
感想3) 今日は山田学長が広島演説、わざわざ遠くからお越しくださった映画監督の林雅行さんが日本の戦争被害者等、さまざまなことについて講話をしてくださいました。お二人とも戦争について語っていましたが、私は戦争に対する過酷さ、悲惨さを改めて思い知らされました。戦争は恐らく永遠に尽きないものだと、残念ですが私はそう思います。戦争は自分自身、経験したことがないぶん未熟ですが、これからもしっかり勉強したいです。