チャペルのひびき

前期を締めくくる恵みの時として

前期を締めくくるのに相応しい時として守られました。前半のチャペル・アワーにおいては、石川美佐子先生の指揮により、キリスト教音楽を受講した学生諸君がKEIWA Choirとして学びの成果を讃美のかたちで披露してくださいました。心にしみいる豊かな合唱でありました。引き続いて持たれたアッセンブリ・アワーでは、作家の加藤宗哉先生(前「三田文学」編集長)が、「文章表現に関すること」とのタイトルのもと、優れた文章を書くための肝要点を、実際のワークも取り混ぜながらご指南くださいました。人の心を打つ文章を書くためには、ただ思ったこと、感じたことを書くだけではなく、その内容をたたえるための表現技法(レトリック)を要することを改めて教えられたように思います。このこととは、直接には関係しないかもしれませんが、エーリッヒ・フロムの語った「愛は技術である」との言葉を思い起こしました。愛は単なる感情の高まりや押しつけではなく、愛するためには、愛することの技法を苦労しながら学びとっていかなければならないのです。聖書を通して、またイエスの姿を通して、愛することを謙虚に学んでいく者となりたく思います。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
公演 キリスト教音楽の受講者によるコーラス KEIWA Choir
20160722チャペル・アッセンブリ・アワー1

20160722チャペル・アッセンブリ・アワー2

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「文章表現に関すること」 作家・前「三田文学」編集長 加藤宗哉 先生
20160722チャペル・アッセンブリ・アワー3

<参加学生の感想>
感想1) チャペル・アワーでは、キリスト教音楽の受講者によるコーラスを聴きました。人数が少ないにも関わらず、すごく透き通ってきれいなハーモニーでした。アッセンブリ・アワーでは文章表現について学びました。文章は技術を積めば誰にでもできると分かりました。元々持っている力だと思っていたのでびっくりしました。たくさん書いていくうちに身に付くのであれば、私も少しずつやってみようと思えました。
感想2) コーラスを聴いて、心が落ち着く感じがしました。また、歌詞に深い意味があり、曲調にもそれが表れているのですごくよかったです。讃美歌はやはりよいなと改めて感じました。文章表現は、具体的に表現することが大切だと知りました。文字には、口で話すような感情もないので、文字で伝える時には注意が必要だと感じました。また字の濃さなど、相手に見てもらうものには気持ちを込めて考えて書く必要があると思いました。
感想3) 「人間の本質はかなしい」という言葉が印象的でした。人間がもつ影というか、にじみのようなところを文学も宗教も捉えている。だからこそ、時代に埋もれずに、人の心の中に残り続け、受け継がれているのだと思いました。「文学=一滴の毒」ひらりと舞って、真意(=かなしみ)を打つ、というようなスタンスが文学のなかで大切であることを知った。