チャペルのひびき
希望につながれている未来
アシュラムセンター主幹牧師の榎本恵先生をお招きして後期最初のチャペルを守ることができました。「あなたの未来に希望はあるか」とのタイトルのもと、先生は、キリスト誕生の際のマタイ福音書の嬰児虐殺の物語に込められた意味を、フランドルの画家ブリューゲルの絵を用いながら、丁寧に説き明かしてくださいました。マタイの物語に引用されているエレミヤの言葉の大本の文脈にまで遡り、悲惨さ極まりない状況の中にも、それだけには終わらぬ希望の種が蒔かれていること、沖縄の基地問題に象徴されているような、未来への光の見えにくい現代の状況もまた希望へとつながれていることに心を向けさせてくださいました。私たち一人ひとりの歩みもまた、たとえ未来への道が閉ざされてしまうようなことがあろうとも、それでもなお、希望の光につながれていることを覚えたいと思います。聖書とは、そのことを教えてくれる書物です。アッセンブリ・アワーは、前期エッセイ・コンテストの受賞式、また資格取得奨励奨学金授与式としてもたれました。受賞エッセイはいずれも、CAHにおいて語られた言葉を、真摯に受け止め、それらとの対話が心の深い次元においてなされたことの分かる優れたものでした。(下田尾 治郎)
Ⅰ.チャペル・アワー
説教 「あなたの未来に希望はあるか。~預言者エレミヤとブリューゲル、そして沖縄~」 アシュラムセンター 主幹牧師 榎本恵 先生
Ⅱ.アッセンブリ・アワー
2016年度前期エッセイ・コンテスト授賞式
2016年度前期資格取得奨励奨学金授与式
<参加学生の感想>
感想1) たった1枚の絵から、さまざまな感情を読み取ることができた。幼児が虐殺されるという悲劇なできごとがこの絵の背景にあるとは最初は想像もできなかった。もし、私がこの絵の中にいる人物の1人だったらエレミアの言葉は救いの言葉になっていたに違いなかったと思います。榎本先生の話を聞いて、歴史は都合のいいように書き変えられていくのかもしれないなと感じました。私たちは真実を見抜く力と、信じることによって希望を見つけることができるのかもしれないなと思いました。
感想2) パッと見た絵の印象は、楽しそうな町の風景に見えたので、本当の絵ではなく書き換えられた絵だと知って驚いた。しかも、馬や鳥が人間の子を元に書いたことを聞いてかなりゾッとした。悲しみと怒りを隠して美しく描くのは怖いと感じた。理想よりも現実の方が勝るという。自分の目から隠されている希望や絶望はまだまだ山ほどあるんだと思った。未来へ希望を持とうと思います。