チャペルのひびき

宗教改革記念日にあたり

先週のチャペルが持たれた10月31日は、マルティン・ルターが、当時のローマカトリック教会の贖宥状(免罪符)の販売に抗して、ヴィッテンベルクの街の城教会の扉に95か条の提題を貼り付けたことに端を発する宗教改革を覚える記念日です。この日にちなみ、チャペル・アワーにおいては、田中利光先生(共生社会学科教授)がルターの功績についてお伝えくださいました。ルターは、神の御子イエス・キリストに明らかにされた神の義を受け入れることを通して、非本来的な生き方(罪)へと陥ってしまった人間が神の前に義とされてゆくという「信仰義認」の立場を、聖書を根拠に打ち出したことで知られています。田中先生は、そのことを丁寧にご説明くださるとともに、ルターが、当時の民衆が用いていた口語に寄り添うような仕方で聖書原典を翻訳したことにより、多くの人々がそれまで無縁なものであった聖書の言葉を親しく読むことが可能とされ、そのことが標準ドイツ語の形成に大きく寄与したことを教えてくださいました。聖書が読まれ、その説きあかしとしての説教を中心に置く教会の礼拝の伝統は、ルターにより礎を据えられ、私どものチャペルもその流れにあることを覚えていただけたらと思います。またそのようにして語られる聖書の言葉は、空しく費やされゆく言葉ではなく、ひととき忘れ去られようとも、いつの日か、再び、心の内に呼び覚まされ、私たちを活かし導く力となるだろうとの先生の締めくくりの言葉も心に残るものでした。引き続くアッセンブリ・アワーは、留学を経験した学生による報告会の2回目。今回は、韓国と中国に留学された方たちが、それぞれに経験したこと、学び取ったことを、丁寧に分かち合ってくださいました。いずれも、異国での学びを通して、世界観を拡げ、自らを見つめ直すことのできたことを伝えてくれる良き発表でした。時間をかけてこの報告に臨んでくださった一人一人の学生に感謝いたします。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「『ことば』が育む人間形成」 教授 田中 利光 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
留学報告会

<参加学生の感想>
感想1)ルターは、標準ドイツ語形成に大きく貢献したと聞き、自分の言葉で聖書に触れることのできなかった生徒や民衆のみんながわかるように口語で書いたことで、より多くの人に神様の言葉を届けることができたのだと思った。母国語も自らの力を成長させるために必要なものだということを私たちは自覚するべきだと聞いて、うまく利用していきたいと思った。留学を通して、他言語を話すことに抵抗がなくなったということから、表現する強さや力、大切さが良く感じることができた。親から離れ、海外に行くことは自立することに繋がると思った。自分の知らない世界へ行くことで世界が広がると感じた。
感想2)韓国留学の話を聞いて、留学に興味を持ちました。今までは留学は、自分で知らない街に行き、ままならない言語で学習することにとても不安感がありました。しかし、今回の話で授業は明るく、外国の人たちも優しくとても充実した留学だと聞きました。不安な気持ちはまだあるけど、今までと比べると行ってみたいという気持ちが強くなりました。知らない場所で生活することは慣れるまで怖いと思うけどそれを経験することがとても大切だと学びました。
感想3)キリスト教では“的”は人の向かうべき方向、“罪”とは神が指し示す道から外れることであると聞いて、それは神の愛、人類に真理を教えてくださる慈愛の心を裏切ることにもなるのかなと考えました。AIの話では、AIでなくても人間同士の日常会話でも相手に上手く伝わらないことがあるし、それによりお互いに認識の差が生まれ大きな噂話に発展してしまうこともあります。そのため、言葉という無限に広がっていく力をコントロールしていくことが、人間として生きる上で最も大切なことなのではないかと気付きを得ました。