チャペルのひびき

讃美歌の多彩さと奥行き

チャペル・アワーは、菊地恵美香先生(日本基督教団牧師)が、主イエスの語られた「99匹と1匹の羊」のたとえ話を通して、シンプルながらも奥行きのあるメッセージを語ってくださいました。主イエス・キリストが、たった一人の小さな羊(存在)をも心の外に置くことなく、ご自身の命を賭するほどに、愛してくださるよき羊飼いであることを先生は教えてくださると共に、無意識のうちに、集団的に危うい方向へと進んでしまうこともありうる現代社会のありようを99匹の羊の姿に重ね合わされました。アッセンブリ・アワーでは、山際規子先生が、語源的な光を当てつつ、音楽というものの本質について、また、歴史を通じて豊かに深化、展開されてきたキリスト教の讃美歌について、ご自身のすばらしいご歌唱と共に、教えてくださいました。キリスト教音楽(讃美歌)の持つ、多彩さと奥行きの一端を知ることができた幸いな一時でした。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「羊の群れよ、どこへ行く?」 日本基督教団牧師 菊地恵美香 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「キリスト教と音楽 讃美歌の源を探る」 非常勤講師 山際規子 先生

<参加学生の感想>
感想1) なんとなくで、鳥の尻尾についていってしまったことで道に迷ってしまったというお話で、小さな失敗が後に大きな失敗につながってしまうという教えが今日一番心に残りました。どうせ自分一人がやらなくても他の人がやるだろう、これくらいならばれないだろうという考えで物事を進めていけば、いずれ小さかった問題が大きな問題となり、自分だけでなく、周りの人にも影響してしまう負の連鎖ができてしまう危険について考えさせられました。そして、逆のことも言えるということも同時に学ぶことができました。常に私は誰かに支えられて生きていて、その誰かを支えようとすることでその輪が広がっていき、今があります。自分が行動を起こせば、よくも悪くも必ず周りに影響が与えられ、いつか自分に返ってきます。私はいつかそれらが返ってくる時、自分にとってよい影響となるように、日々自分の行動に責任を持ち、自分一人なら大丈夫という考えでなく、自分一人で大きく変わるという意識を持ちながら生活していきたいです。
感想2) 今までチャペル・アッセンブリ・アワーで何度か耳にしてきた讃美歌だが、その歴史や源を知った前と後とでは、聞こえ方が違うように感じた。どの音楽にもさまざまな背景があり、その背景を知ることが、音楽を本当に楽しむ第一歩であると思う。音楽は歌詞やメロディーだけから捉えられがちであるが、そこに収まりきらなかった作者の思いをくみ取ることが大切である。また今回、実際に山際先生の歌う讃美歌を聴いて、とても気持ちを込めるような歌い方をされていたので、非常に感動した。
感想3) 菊地先生がフィールドワークで自分の環境とは全く違う土地へ行ったことで、文化などの違いが分かったという経験はとてもよく分かります。私も修学旅行でシンガポールへ行き、日本との違いを実感したからです。外に出てみるという経験はとても貴重だと改めて思いました。山際先生の講話では、「音楽」という単語は普段から何気なく使っていましたが、パーツごとに意味を持って「音楽」という言葉が成り立っているんだと初めて知りました。実際に讃美歌を聞いてみて、とても心地いい歌だと分かりました。聖書の内容が暗い時には曲調も暗く、明るい時は明るくしているかもしれないと感じました。