チャペルのひびき

他者と共なる喜び溢れる生(社会)に向けて

チャペル・アワーは、山﨑ハコネ先生(共生社会学科准教授)がマタイ福音書に記された主イエスと徴税人のマタイの出会いについて、説き明かしてくださいました。貧しき者たちからローマのために重税を取り立てるマタイに近づく主イエスの行動は、多くの人々にとっては心外極まるもの。けれども、主イエスは、あえて嫌われ者のマタイに近づき、「私に従ってきなさい」との声を掛けられました。それはまた、新しき生のありようを象徴するところの主の食卓への招きでもありました。マタイは、主イエスとの出会いを通して、自分だけのために生きる古き生から、他者と共なる喜び溢れる新しき生へと、移し入れられていったのです。引き続くアッセンブリ・アワーでは、田中純一先生(児童健全育成指導士)より、新潟市の平島公園において取り組んでこられた地域づくり(地域再生活動)についてのお話を伺いました。地域活動を地道にやり遂げてゆく秘訣は、「(人のために)働く」、「(相互伝達を通して)学ぶ」、「(心がわくわくするように)遊ぶ」という3つの要素を1つの活動の中に取り入れてゆくことである、とのこと。田中先生の実践されてきた地域づくりは、他者と共なる喜び溢れる社会を作り出すことと言い換えてもよく、それは、本学の教育理念の一つともいえる「平和を作り出すこと」と決して無縁ではないでしょう。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「主の食卓に招かれて」 准教授 山﨑ハコネ 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「子どもたちと地域と共に花と緑の平島公園つくり」 平島公園クラブ会長、平島一丁目自治会長、児童健全育成指導士  田中 純一 先生 

<参加学生の感想>
感想1) 今回のチャペル・アワーを聞いて、マタイが収税人として苦しんでいた過去から、イエスさまに手を差し伸べていただいて人生が変わったという点が、とても印象に残った。疎外され、社会の中から締め出されていく存在から、大勢の人がいて交わりの中で生きることが許されたと聞き、とても感動した。また、食卓とは力が湧いてくる、次につながる大切な時間だという言葉がとてもすてきだなと感じた。笑い、交わり、テーブルを囲み食事をすることは、かけがえのない大切なものだと感じた。
感想2) 田中さんの仕事内容や意義を聞いて、住民や人々にとって重要な役割を果たしていることを学びました。住民の交流の場をつくることで地域の協働性が高まると思いました。田中さんのポジティブで感謝する精神から、強い気持ちで清掃を続け、10年越しにようやく報われたということを知り、誰かに褒められるために仕事をするのではなく、誰かのために仕事をするという精神を学びました。学ぶことは相互伝達であるという言葉で、まねして学ぶことも大切であると思いました。学びの中に遊びを入れることで、楽しく講義を受けることができました。
感想3) 敬和の“和”という漢字には、隣人愛という意味が込められているということが分かった。仲間というのは、誰でもよいわけではないので、自分の糧になるような仲間を作ることが大切であるということを知った。社会に出てからは、褒められることがほぼないので、怒られながら成長していくことが必要なのだと、あらためて実感した。仕事は、一生懸命働いて人のためになるということが語源であり、お金が目的ではないということが分かった。活動とは、働く、学ぶ、遊ぶこと、この3つが混ざって1つの活動と呼ばれていることを知った。この3つのうまいメリハリをつけることができればよいと学んだ。いろいろな学びを教えてくださったので、それを今後に生かしていきたい。