チャペルのひびき

平和への志を培う時として

チャペル・アッセンブリ・アワーは、「平和」への志を培う時として用いられました。チャペル・アワーは、敬和学園高校にて「平和学習」の指導をされておられる菅原只行教諭がご担当くださいました。先生を通して、平和とは、ただ戦争がないということではなく、一人ひとりが命の危険から守られてあること、人権が保障されてある状態であることを学ぶことができました。また、実現が困難であるが故にこそ平和を作り出してゆくことの、また、そのために相手の立場に立って物事を考える心としての寛容を日々の学びを通して培ってゆくことの大切さを、先生は教えてくださいました。引き続くアッセンブリ・アワーにおいては、今年度、新たにスタートした「平和学習」サークル、「Keiwa Peace Project~祈り・つながり・希望~」の皆さんが、今夏、オンライン参加した「平和学習プログラム」(広島女学院大学主催)での学びについて、またサークル活動を通しての学びの成果を発表してくださいました。その報告を通して、広島に落とされた原爆のすさまじさとその被害のむごたらしさについて改めて教えられました。「投下の候補地の一つであった新潟に原爆が落とされていたら、自分の命も存在しなかったかもしれない。そう考えると、今生きていることは奇跡である」とのサークル代表の石井由希さんの言葉が心に重く響きました。今ある命の奇跡を見つめ直しつつ、命損なわれることのない平和を作り出してゆこうとする若人たちの志を通して、平和に対する本学の責任を新たに覚える時となりました。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「平和とは何か」 敬和学園高等学校教諭 菅原只行 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
平和学習プログラム活動報告 Keiwa Peace Project ~祈り・つながり・希望~

 

<参加学生の感想>
感想1) 菅原先生の話を聞いて、なぜまだ平和を願う人がいるのだろうと思いました。でもそれは、今が平和じゃないから願う人がいるのだと知り、自分は考えが甘かったと思いました。私は戦争も経験していなければ、原爆も経験していません。今幸せに生きているからそれでいいという考えになっているのかもしれません。でも実際に戦争や原爆などを経験している人は、未来を見据えて平和を願っているのかなと思いました。
感想2) どんなに小さな行為だとしても、多くの人が行動を起こすことが重要で、いつしか世界を動かすことができるような大きな力に変わっていくと思います。さまざまな人が新たな気づきを得て、違いを認め、他者に寄り添いたいという温かい思いが集まることで、誰もが幸せに暮らせるというような、本当の意味での平和な世界につながるのだと強く感じました。
感想3) さまざまなことに興味を持てば、他人事ではなく、自分事のように考えられる。いつでも誰とでも対話をすれば、広い視野持って生きていける。みんなが幸せになれるような世界を実現するには、私たち一人ひとりが行動しなければならないと感じました。コロナ禍の今も同じで、一人ひとりが気をつけないと終息につながりません。最初は自分から、それをどんどん周りに広げていかなければならないのだと思いました。
感想4) 真に平和になるためには、さまざまなことが必要なのだと分かりました。世界にはたくさんの人がいて、その人たちそれぞれで何が平和かは異なっているので、自分の思う平和を押しつけてはならないのだと感じました。被ばくして現在生きている人が少なくなっている今、当時何があったのか真実を知り、後世に伝えていかなくてはならないので、自分も修学旅行の学習だけで終わらせず、もっと学ぼうと思えるよいきっかけになりました。
感想5) 「平和」の本当の意味とは何かについて深く考えることができました。当たり前にご飯が食べられ、当たり前に学校に通うことができ、当たり前に眠ることができるのが、どれほど幸せであるか、時々忘れてしまうことがあります。しかし、当たり前の幸せ、「平和」を忘れてしまうことで、そのありがたみが分からなくなり、当たり前にあった「平和」が壊されてしまいます。また同じ過ちを繰り返さないようにするためにも、今ある幸せ、そして「平和」を大切にしていこうと思いました。