チャペルのひびき

かけがえのない命を守るために

アッセンブリ・アワーでは、新発田市健康推進課の方々から、「守りたいしばたのいのち~私たちができること~」とのタイトルのもと、お話を伺いました。統計を通して、私たちの身近なところでも、さまざまな理由から、自ら死を選ぶ人がたくさんおられるという悲しい事実を知らされました。多感な時期を生きている若い世代の人々にとって、心のバランスを失ってしまった時に、具体的にどこに助けを求めたらよいのかということも教えていただきました。自分、そして隣人の大切な命を守るためにできることについて、思いを巡らすよき機会を与えられました。チャペル・アワーにおいては、旧約聖書の「イザヤ書」より学びました。神の民と自負するユダヤ人ですが、バビロン捕囚の試練に遭い、アイデンティティー崩壊の危機にさらされます。「自分たちが何者でもなくなってしまった」との失意の底に突き落とされます。そのような民たちに、神は「あなたは私のまなざしの中で、値高く、愛している」との言葉を語り掛けます。その神の愛のまなざしの中で、ユダヤの民は、立ち上がり、再び歩み始めたのです。自らの使命を深く自覚した新たな神の民として再生されつつ。この神の愛のまなざしは、私たち一人ひとりにも注がれています。そのまなざしの中に包まれていることを覚えつつ、他者のかけがえのない命を支えてゆく者となりたく思います。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「私の目にあなたは値高く、貴く」 宗教部長 下田尾治郎 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「守りたい しばたのいのち~私たちができること~」 新発田市健康推進課 齊藤 先生、新発田市健康推進課 坂井 先生

<参加学生の感想>
感想1) 私は今日の下田尾先生の話を聞いて、私たちはそれぞれ特別な存在であり、何者でもないわけではないという言葉が印象に残りました。どんな人でも誰かの中に、そして神にとって大切な存在であり、いなくなってもいい存在などいないのだと知らされました。なので、自分の命を大切にしようと思います。
感想2) 今日のチャペル・アワーのお話がとても心に響きました。生きている中で、他の人との違いがあることを否定されて、自分が何者なのか、存在することが間違っていると感じて、生きづらさの中で生活していました。自分が自分であることを自分で肯定したり、取り戻すのに時間はかかりましたが、行動に移さずにいられました。今でも、自分が自分であることに恐怖を感じます。再度否定されるのではないか不安になるからです。先生が仰っていたように、人は変わることができます。簡単ではないですが、ポジティブに生きていきます。
感想3) 新発田には若者でも相談しやすい相談会があることを初めて知りました。新発田市が行っている活動でそのような団体の啓発活動があることを知り、改めて相談窓口があることは大事だなと感じました。市や国で行うことも大切だけど、自分にも何かできることがあるのではないかと思いました。身近に困っている人やメンタル面で傷ついている人がいたら、気に掛けてあげたり、話を聞いてあげたりすることができる人になりたいと思いました。そういう人が増えることで、若者の自殺をなくしていくことにつながると考えました。新発田市が行い、広めている自殺対策の活動が、これからももっと広まっていけばいいなと思いました。そして私も、その発信に協力できたらいいな、と思いました。
感想4) 人生とは、辛いことが大半である。しかし、生きていれば幸せを感じられる瞬間が必ずあるということを改めて学んだ。若者の死因は自殺が1位ということを知って、自分の命を自ら絶ってしまう人が割と多い事実を知った。だからこそ、社会全体で命を大切にしようと言われている。また、思春期は特に、悩みが多いというお話を聞いて、共感する部分がたくさんあった。このような悩みを相談できる相手が1人でもいるとすごく心強いと思う。相談することで相手の意見を聞くことができ、自分の選択肢が増える。聞いてもらえるだけで安心できるということなど、メリットがたくさんある。市役所にも、自殺予防のためにポスターを貼ってあると聞いた。チラシを配ったり、ポスターを貼ったりすることにより、自殺する人が1人でも減ればいいなと思った。新発田市でもさまざまな取り組みが行われており、今後、若者はじめとした多くの悩みを抱えた方々が少しでも楽になってほしいと感じた。自分が相談することも大切だが、時には友人の悩みを聞いてあげることも重要な役割であることを知った。