チャペルのひびき

森林の多様な豊かさと人間の責任について

チャペル・アワーでは、和田献太郎先生(キリスト教教育主事)より、新約聖書の「テサロニケの信徒への手紙」の中に記された使徒パウロの言葉についての説き明かしをいただきました。ハンセン病にかかり、家族からも隔離されるような、「当たり前ではないことを、当たり前として強いられた」苦難を負いつつも、キリスト・イエスを信じる信仰をとおして、感謝をもって、生きておられたかたの存在を知らされました。喜べない状況にあっても喜ぶことを可能とさせる信仰について、また、イエス・キリストというかたについて教えられ、感謝です。引き続き持たれた、アッセンブリ・アワーにおいては、現在、佐渡にあるBotanical Academyの代表を務めておられる崎尾均先生(新潟大学名誉教授)により、「植物より地球環境を考える」とのタイトルのもと、ご講演をいただきました。何気なく使っている森、林、森林などの言葉の違いについて、また、環境保全の面において森林が担っている多様な役割について、詳しく教えていただきました。人類はその自己中心性において、環境破壊を繰り返してきました。自らの利益のために、自然を搾取し続けてきた結果、今地球はのっぴきならぬ状況に追い込まれています。ただ、自然は放置すればよいというものではなく、その豊かさを保つためには、自覚的に人間が関わってゆかなければならない側面のあることも確かなことです。自然界における人間の位置について、また、自然に対する人間の責任について、「聖書」は教えてくれる書物であることをこの機会に覚えていただけたらと思います。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「苦難の中の感謝」 キリスト教教育主事 和田献太郎 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「植物から地球環境を考える」 Botanical Academy代表、新潟大学名誉教授 崎尾均 先生

<参加学生の感想>
感想1) 今日の講義は、私は苦難を乗り越えることで強くなれることを強く身に染みて理解しました。人は、やはり楽なことばかりではダメになってしまいます。私は何もないばかりの道のりで、今がようやくがんばり時だと身に染みて感じています。そのおかげで、この先を生きていける経験を積むことができています。苦難を歩むのは大変ですが、それがなければ成長しないと感じました。緑なくして地球を救うことはできないと改めて感じました。今の地球に必要なのは鉄の塊ではなく、緑豊かな自然だと思いました。機械は確かに人々の助けにはなりますが、自然を減らしていくのはなかなか難しいことだと思いました。これを解決する方法は、現段階では分かりませんが、この2つを両立できる方法を考えていきます。
感想2) 私は森林の機能や役割について、ある程度は知っていたのですが、自分が知っていた数よりも多くの役割があり、その一つひとつが重要な役割を果たしていると改めて感じました。私たちが一年をとおして四季を感じることができるのも、自然環境が整っている証拠ではないかと話を聞いて思いました。また、最近では自然災害も多くなっている傾向にあるので、なおのこと森林としての機能を十分に発揮できるような森林づくりが必要だと思いました。しかし、森林が減ると二酸化炭素の吸収量が低下したり、それにより地球温暖化が進むなど、森林の減少により私たちの生活が危ぶまれることが改めて分かりました。気候変動により生態系に少なからず影響が現れ、生物の絶滅につながっていくことを再認できました。
感想3) イエスさまが私たち、人間に望んでいる言葉を聞いて、心を素直に穏やかにしていくことを忘れてはいけないと思いました。当たり前がどれほど、ありがたいのかを実感しました。ある日突然、病にかかってしまったら、周りの人たちから遠ざけられて、嫌悪されていきます。人間は難しい生き物だと考えます。同じ怒り、悲しみ、苦しみを抱えて、互いを慰めたり、傷つけあったりを繰り返していく生き物じゃないかと思いました。