チャペルのひびき

平和のためにそれぞれにできることがあるはず

チャペル・アワーは、藤野豊先生(国際文化学科教授)がご担当くださり、「平和を作り出す人は幸いである」との聖句をもとに、ご自身の経験を交えながら、また今日に至る先生の研究と活動を貫かれている平和への思いについてお話しくださいました。「平和」とは、単に争いがないということだけではないということ。人が人として生きる上での基本的な権利が守られ、尊重されることが、「平和」であることの条件であることを強調されました。その中には、子供の教育を受ける権利(教育権)が守られるということも含まれることはいうまでもありません。引き続く、アッセンブリ・アワーにおいては、このことを受ける仕方で、大岩彩子先生が現在従事しておられるウクライナの子供たちへの教育支援の取り組みについて、ご紹介くださいました。最初は、日々報道される過酷な戦争の現状に無力感のあまり涙されるだけであられた大岩先生。けれども、このような中にも、ウクライナの子供たちの教育を受け続けることのできるよう、また、少しでも彼(女)らが、つらい現実から離れることができるように、自分でもできることがあるはずと気づかれ、今できることをなさっておられるそのお姿に勇気を与えられました。息子さんの凪さんの行動力も敬服に値するものです。同じ仕方ではないけれども、私たち一人ひとりにできることがあり、また役割があることを教えられた貴重な時間となりました。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「1985年東京、1986年マニラ、そして1989年岡山県長島」 教授 藤野豊 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「できることをするーウクライナ支援を通して考える、わたしの役割ー」 准教授 大岩彩子 先生

<参加学生の感想>
感想1) 坂井先生がオリジナル物語で英語の紙芝居を作っていて、すごいなと思いました。大岩先生の息子さんの、思いついたらやろうとするチャレンジ精神がすばらしいと思いました。ウクライナ支援で、息子さんが小学生なりにノートにウクライナについてまとめていたり、バッジを作ったりとても感心しました。行動力を見習いたいと思いました。大岩先生の話を聞いていると、ウクライナ支援で身近にできることはたくさんあるんだなと感じました。心が動いた時は行動する、行動する人のよいフォロワーになる、人それぞれに役割がある、という言葉がとても心に残りました。
感想2) 私は新しいことに挑戦してみたり、冒険したりすることがあまり得意ではないので、凪さんみたいにやりたいことがあったらやってみる、という行動力にとても感動しました。私も恥ずかしながら見習って、いろいろなことにチャレンジしてみたいと思いました。今、自分は自分のために生きていくので精いっぱいで、周りに気を配ったり、誰かのために何かをすることをおろそかにしています。そんな中で、先生をはじめとしてたくさんの方が、誰かのためになる活動をなさっているということが、すごく心を動かしました。自分も何かできるようになりたいです。
感想3) チャペル・アワーでは「平和」について改めて考えることができました。藤野先生が仰っていたとおり、今の日本は平和とは程遠いように思います。私は特に、「差別」について考えてしまいます。私の中では、差別の根底には「偏見」というその人が勝手に捉えている考え方があり、「偏見」のない社会が来ないと、差別というものはなくせないのだと思っています。しかし、何もできないのかと言ったら、それは違います。ずばり、「固定観念にとらわれない、従来の社会とは現代は全く違うことを知る」ことです。一人でも多くの人が考え方を変えれば、差別を減らせるのではないかと思うのです。