チャペルのひびき

世の光として生きること

チャペル・アワーでは、田中利光先生(共生社会学科教授)が、マタイ福音書に記された主イエスの言葉をもとに、「世の光」として生きることの意義について教えてくださいました。それは、人に仕えて生きること(奉仕に生きる)と不可分であるとのこと。先生は、「奉仕を通してこそ、愛は表面化してゆく」とおっしゃられました。そのような仕方で、私たちは、この殺伐とした暗き世界に光を灯してゆくことができるのでしょう。世界を照らすもう一つの光源について、すなわち、「ものさしで測ることのできない世界」に触れさせることをとおして、世界を光の中へと導き入れてくれる信仰についても、ヘレン・ケラーに触れながら先生は伝えてくださいました。アッセンブリ・アワーにおいては、「フードバンクしばた」の土田雅穂先生が、その支援活動について詳しくお話しくださいました。困窮するご家庭に食べ物を届けるだけでなく、その活動が多方面に、きめ細やかな仕方で発展し続けていることに驚きを覚えました。(本学の学生たちも、子どもたちへの学習支援等において、深く関わっていることを知りうれしく思います。)貧困は、「他人ごと」ではなく、私たちにも起こりうる「私ごと」。そうであるからこそ、私たち一人ひとりが、自分たちにできる仕方において、「わくわくする気持ちをもって」この活動に関われたらと思います。そのようにして、世に光を灯すことができればと心から願います。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「世の光」 教授 田中利光 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 フードバンクしばた事務局長 土田雅穂 先生

<参加学生の感想>
感想1) 誰もが光となることができるという言葉に励まされました。また、ヘレン・ケラーは聴力と視力を失い、話すことができなくなった後に、奉仕に力を注いだということに感動しました。私はあまり人助けをできていません。ですがこれからは、困っている人に手を差し伸べることで、誰かにとっての光になれたらいいと思いました。アッセンブリ・アワーで土田先生から伺ったお話は、とても印象に残りました。今自分が大学に通えていることに感謝しなければならないし、自分ができる範囲の支援をしないといけないと思いました。
感想2) “奉仕活動は愛を表面化する”というお話を聞いて、人に何かしてあげることは、相手に自分の愛を伝える愛情表現でもあることを改めて実感することができた。また、ヘレン・ケラーのエピソードから、体にハンデキャップを負っていてもできることがあるということを知った。自分もさまざまなことに挑戦してみようと思った。アッセンブリ・アワーでは、フードバンクしばたについてのお話を聞いた。学生生活においていろいろな経験をしていくことが大事であるという言葉に、とても心を打たれた。自分にもできることを見つけてやってみようと思った。
感想3) 目も耳も不自由なのにも関わらず、何か国語も話せたのは改めてすごいと思いました。そんなヘレンが心と直感でつながれる世界=信仰を大切にしていたことを知りました。これらのことを心に留めておきたいと思いました。アッセンブリ・アワーではフードバンクしばたのお話を聞きました。私は新潟市在住で、フードバンクしばたの存在は大学に入ってから知りました。同時に、いかに自分が恵まれた環境で育ってきたのかと改めて感じました。食べ物のこと以外にも支援があるのは、とても心強いだろうなと思いました。自分もぜひ手伝いに行きたいと思いました。
感想4) 今日は、「世の光」について学びました。田中先生は「世の光」と「社会福祉」を結びつけてお話ししてくださいました。私は印象に残った言葉があります。「この世界は2つの世界があり、1つは物差しで測ることができる世界、1つは心と触感で感じ取ることができる世界」。心と触感で感じ取ることが信仰につながり、壊れた世界を光の中へ導いてくれる。私はこの話を聞き、なるほどなと思いました。私や母は、貧困で苦しむ子どもたちへのボランティア活動をしています。その中で、フードバンクの活動に参加したこともあります。本当にそれぞれの家には違う事情があって、それに対する対応も変える必要があります。私も何か協力できればいいなと思いました。