学長室だより
2001年11月30日号
学生諸君は先月24日に本学で行われたギャバン・マコーマック教授の「日本経済崩壊の原因を探る:土建国家の行く末」という講演を聞きましたか。オーストラリアの一流のジャパノロジストが、日本語で講演してくれました。豊かな内容、というよりも、まことにショッキングな内容でした。日本経済はいま奈落の底をさまよっている、にもかかわらずそのことを大多数の日本人は認識しているように見えない、というのが教授の預言者的なメッセージでした。その日たまたま読んだ『ニューズウイーク』誌にはマコーマック教授への言及があり、日本のことを construction state と呼んでいました。教授の講演を聞いてからは、日本の政治と経済を見る僕の目に明らかな変化が生じました。新聞を新しい目で読むようになりました。学生諸君にもそのような経験をぜひしてほしいものです。(北垣 宗治)