学長室だより

ダビデの物語・ダビデの台頭史その7

ダビデの台頭史の中で輝きを放っているが、ゴリアトとの一騎打ちです。ペリシテは軍備を整えて陣を敷いたため、エラの谷をはさんでイスラエル軍は彼らと対峙します(サムエル記上17章1節~3節)。その時、ペリシテの陣地から戦士ゴリアトが進み出て大声でよばわり「……一人を選んで、わたしの方へ下りて来させよ。その者にわたしと戦う力があって、もしわたしを討ち取るようなことがあれば、我々はお前たちの奴隷となろう。だが、わたしが勝ってその者を討ち取ったら、お前たちが奴隷となって我々に仕えるのだ」と挑んできたのです(8節~10節)。
ペリシテは戦士階級が支配する軍事独裁国家でした。ゴリアトは「ガト出身で、背丈は六アンマ半、頭に青銅の兜をかぶり、身には青銅五千シェケルの重さのあるうろことじの鎧を着、足には青銅のすね当てを着け、肩に青銅の投げ槍を背負っていた。槍の柄は機織りの巻棒のように太く、穂先は鉄六百シェケルもあり、彼の前には、盾持ちがいた」(4節~7節)というのです。概算すると背丈2.9メートル、青銅の鎧の重さ57キロ、槍の穂先だけで7キロでした。すね当てと兜を加えると、この巨人の装備全体はかなりの重量となったはずです。(鈴木 佳秀)