学長室だより

ダビデの物語・サウルの活躍その13

サムエルは「今となっては、あなたの王権は続かない」とサウルに語り、「主は御心に適う人を求めて、その人を御自分の民の指導者として立てられる」と預言したのです(サムエル記上13章14節)。
サウルが兵士を数えると600人しかいなかったと言います(15節)。サムエルと決別した後、サウルとヨナタンはペリシテだけでなく、周りのモアブ、アンモン、エドムなどの王たちと戦わなければなりませんでした。ペリシテの戦車は、二頭立てか三頭立ての馬に引かせた台車で、台の上に御者と槍持ち、弓矢を持った兵士が乗っていました。平原であればこの戦車は歩兵に対して強力な兵器になりますが、イスラエルの民は山岳地域に布陣し、ゲリラ戦で重装備のペリシテ軍と戦ったのです。装備は劣っていても、弓矢を駆使したゲリラ戦では勝機も生まれました。ヨナタンが少数の兵士を従えて先陣隊に攻め込み20人ほどを打ち倒したことで、ペリシテの陣営に動揺が広がり、イスラエルが勝利を収めた出来事が語られています(14章6節~46節)。
タブーを守り兵士は身を慎んで出撃しました。サウルが「日の落ちる前、……食べ物を口にする者は呪われよ」と語ったのはその現れです。