学長室だより

学園の生みの親の創立140周年を祝う

10月18日に日本基督教団東中通教会の創立140周年記念会が教会で開催されました。東中通教会と新潟教会は新潟を代表するプロテスタント教会です。二つの教会の営みは、140年前の1875年にエディンバラ医療宣教団から派遣されたT.A.パーム宣教師の医療宣教による「新潟公会」(超教派の教会)に遡ります。パームは新潟にパーム病院を建てて、そこを中心に宣教して現在のプロテスタント諸教会の言わば背骨を形成しました。
パーム宣教師が8年後に新潟を去り、エディンバラ医療宣教団から同志社の創立を支援したアメリカン・ボードに宣教団が交替し、医療から教育に宣教方針を転換しました。同時に宣教方針の違いなどで「新潟公会」は東中通教会と新潟教会に分かれました。1887年に新潟女学校と北越学館という女子校と男子校がアメリカン・ボードの支援で開設されました。しかし、大日本国憲法と教育勅語の発布という欧化主義から国粋主義への時代の変遷の大波に乗り切れずに5年余りで休校に追い込まれました。
戦後に平和な時代が再び訪れると、明治のキリスト教学校の復活を願う祈りは、東中通教会と新潟教会の宣教師や牧師や信徒の熱心な働きによって、48年前に敬和学園高校の開校に至りました。さらに25年前に敬和学園大学の開学に結実しました。敬和学園大学では、パームの宣教の働きを覚え、健康に関わる体育館の名前を「パーム館」と名づけています。パームについては、学長ブログ「T. A.パーム:新潟の医療宣教師」を参照ください。(山田 耕太)