学長室だより

歴史学の醍醐味を味わって

夕日が落ちて暗くなった夜空に、オオハクチョウの群れが、互いに声かけ合いながら飛来してきました。大学の上空は、シベリアから瓢湖を目指してやってくる渡り鳥の通り道になっているのです。

新発田市立中央図書館が駅前にイクネスしばたとして開館したのに伴って、旧図書館を新発田市立歴史図書館として改築してリニューアルオープンしました。開館記念特別展「新発田藩歴史資料展」が開催されているので、先週初めて歴史図書館に入ってみました。

旧図書館の1階は展示場に改装され、2階には歴史図書館らしい書籍が集められていました。その中核をなす三扶(みぶ)文庫は新発田藩政史などの研究書、関文庫は新潟県の遺跡発掘調査報告書と考古学などの研究書、穂刈文庫は近世文芸史などの書籍で、質の高さと量の多さに圧倒されます。これらが新発田郷土研究社の設立者や蔵書のために蔵を建てた新発田高校の教師の蔵書であったことにも驚かされます。私は新発田の中世史のいくつかの不明な点を調べ、江戸時代の古地図天保図を実際に開いて見て醍醐味を味わいました。

19日金曜のアッセンブリ・アワーでは、考古学の非常勤講師を26年間お務めくださっている藤田富士夫先生に「考古学のおもしろさ」と題してご講演していただきました。考古学を志したご生涯を縄文時代の6時代に対応して説明した後で、縄文人が暦を知っている仮説は圧巻でした。新発田の遺跡の遺品を本学の図書館でケースミュージアムとして見ることができるようにしてくださったことも感謝です。(山田 耕太)

2018.10.26学長ブログ

アッセンブリ・アワーで、藤田富士夫先生にご講演していただきました