学長室だより
台風が過ぎ去って
極めて大型の台風19号が去って、各地の大きな川が氾濫して大規模な被害が出ています。毎年のように各地で自然災害に見舞われています。その度ごとに自然の猛威を知らされます。その自然の中でまた自然と対峙して、人類は営々として文化や文明を築いてきたことを思わされます。
今までに経験したことのない風速や雨量を記録した台風19号が過ぎ去るのを待つために、9月の千葉県を襲った台風15号の経験から、日本各地ではさまざまなイベントや行事が前もって早くから中止や延期が決定されました。
私も12日(土)と13日(日)は、横浜で開催される予定であった全国外国人居留地研究会横浜大会に出席して、シンポジウムで「新潟の音楽・文学・美術の萌芽とその後」を発表予定でしたが中止になりました。外国人居留地とは、明治政府が江戸時代の鎖国政策をやめて開国した時に、長崎・神戸・横浜・新潟・函館の開港5港と東京・築地と大阪・川口の2開市に外国人が住むことを認めた地域を指します。新潟は外国人の数が少なかったので居留地はできませんでした。
明治時代のキリスト教学校は居留地から始まり、後背地へと展開していきました。来年9月21、22日に敬和学園大学で全国居留地研究会が開催されます。AI時代を見据えて「居留地のリベラルアーツ教育」をテーマに、キリスト教学校の特徴の一つの外国語教育を土台にしたリベラルアーツ教育の原点とそこで育った人々がどのような活躍をしたのかを探る予定です。(山田 耕太)