キャンパス日誌

【卒業生リレーエッセイ28】~新発田市職員として活躍する中山巧さん~

多面的に考え、対応する力

中山巧

2000年度卒業 中山巧さん

敬和学園大学で過ごした時間。それはかけがえのない時間であり、今の自分を決定づけた有意義な4年間でした。
出席率や取得単位数など、決して褒められるものではなく、学生の本分とはむしろ対極の時間の使い方をしたかも知れません。趣味やアルバイト、夜遊びに明け暮れ、時折大学に来ては学食でおしゃべり…。そんな学生でしたが、な・ん・と・か、4年生になったある日、今の自分を形づくる決定的な出来事が起きます。
昼下がりの松本ゼミ。前日の夜遊び疲れでうたた寝しつつある私に突然、教授からの質問。急なフリに対応しきれない私は、他のゼミ生の大半とは逆の答えをしてしまいます。しかし、そこで教授の一言。「そういう見方もありますね。実は私もそう考えはじめています。」これぞ、リベラルアーツ教育?「話を聞いていましたか?」と来ると思いきや…です。
物事はある単一方向から見てばかりでは真理を出せない。幅広い学びから視野を広げ、教養を深め、心を豊かにし、他人を思いやることのできる人間を育成できるか。そして、多くの出会いの中から、いかに自分を深く知ることができるか。現在、私は敬和学園大学のある新発田市の職員として働いていますが、この体験、学びは今にも活きています。

中山巧

担当する業務にはこんな役得も!
食の循環しばた応援団である服部幸應氏と(右が中山さん)

行政は、住民の皆さまから寄せられるさまざまなご意見を踏まえた上で、住みよいまちの実現に向け、今できる最善の手段を選び出し実施する役割と責任があります。そこで必要となる能力が物事を多面的に見る力、相手の立場に立って考えることができる精神です。それらの基礎を形成するには充分な時間、気付きや学び、多様性を認める環境が敬和学園大学には備わっていることを、この文章を書きながら、改めて感じています。
今後は、母校のあるまちの自治体職員として、共に地域に愛されるよう関係をさらに深めていければと考えています。(2000年度卒業 中山巧さん)