キャンパス日誌
【学生レポート】戦争を伝えていくことの大切さ~8.6平和学習プログラムに参加して
敬和学園大学はキリスト教主義の大学として、広島女学院や沖縄キリスト教学院と連携し、学生たちに平和について考える機会を提供しています。
広島に原爆が落とされた8月6日をはさんでの3日間、広島女学院大学で行われた「第24回キリスト教主義大学ジョイント8.6平和学習プログラム」に本学のサークル「Keiwa Peace Project」から3名の学生が参加しました。
参加した山口のあさん(国際文化学科2年)からのレポートをお届けします。
開会礼拝と平和記念資料館・平和記念公園見学(1日目)
1日目は、広島平和記念資料館の見学と平和記念公園の碑を巡りました。
平和記念資料館では原爆の壮絶さを改めて実感できました。原爆の資料館に入り、中を見た際に遺品とその隣に遺族の方の言葉や亡くなるまでの記録が記されたところがありました。その遺品を見た時、改めて一人ひとりが私と同じで、その時その場所で生きて、普通の生活を送っていたのだと気がつきました。
平和記念公園では、Keiwa Peace Projectがオリヅルプロジェクトで作成した千羽鶴を原爆の子の像に捧げ、平和への想いを形にして届けました。
見学を通じて、過去の出来事を学び、現在の生活に平和の願いをどう生かすかを考える機会となりました。

平和記念公園にある原爆ドームを訪れました

皆さんに協力していただいたオリヅルを原爆の子の像に捧げました
特別講義の受講(2日目)
2日目は広島女学院大学で4つの特別講義を受講しました。講義では、日本、アメリカ、韓国の異なる視点で原爆投下について学びました。
アメリカでは民衆は「広島という基地」に原爆を落としたと聞かされていて、何万人という犠牲者のことを知らされていなかったということや、朝鮮人や韓国人、ブラジル人の被害者もおられたことなどを知りました。他の国から見る原爆の歴史はそれぞれ少しずつ違っていて、そのことが国際的かつ歴史的に深い影響を及ぼしていることが分かり、真実を見極めることの大切さと大変さを学びました。
平和祈念式典とディスカッション(3日目)
3日目は、広島女学院大学の学生と意見交換を行い、私が今までどれだけ自分が住んでいる土地の歴史について知らなかったのかを実感しました。
今までも、第二次世界大戦のことや広島に原爆が落ちたことは知っていましたが、実際にどれだけの人が犠牲になりそれがなぜ起きたのかというところまではあまり考えていませんでした。頭の中で歴史を他人事として考えていたからです。今回実際に広島に行って改めて自分のことのように考えることができました。
また、事前学習で原爆は新潟に落ちていたかもしれないということを学んだ際も主体的に考えられるようになれました。私自身は新潟で生まれたわけではないのですが、家族や自分の周りの友人たちが今ここにいない可能性があるのだということを知り、戦争と原爆の恐ろしさを実感しました。

平和祈念式典では、原爆の犠牲となった広島女学院の教職員や生徒を追悼しました
プログラムに参加しての感想
私は今回のプログラムに参加して、多くのことが得られました。
まず、学んだことを伝えるということがどれだけ大切であるかを学びました。戦争終結から79年が経ち、戦争を体験した方がどんどん少なくなっている中で、少ないかもしれませんが戦争の事実を伝えている人が今現在もいます。こういった方たちのおかげで、戦争を経験した人だけでなく、そのお話を聞いた人がまた次の人へ伝えるということができていると思います。
私たちは、戦争を経験しているわけではありませんが、戦争の話を聞き、人へ伝えていくことはできます。学んだことを自分の中で完結させるだけでなく身内や親しい人にでもいいから伝えていくことが大切だと感じました。そうすれば、一人ひとりの力は微力かもしれませんが、みんなで協力することができればこれからを生きる人たちに伝わり、犠牲になる人を減らせるのではないかと考えました。
また、平和のつくり方についても考えることができました。平和をつくるためには特別なことなどしなくていいのだということを知りました。お互いにあいさつをして理解しようとする、これが本当に平和になるための一歩なのだということを肌で感じました。
実際に広島に行った時、人の温かさに触れることができました。広島女学院大学の方との交流でも、私が質問したことに丁寧に答えてくださったり、雑談して笑い合ったりと和やかに過ごすことができました。これが平和なのだろうと感じました。
今回のプログラムを通して原爆の悲惨さ、壮絶さを多角的な視点から見ることができました。戦争が起きたという事実を風化させず伝え続け、学び続けたいと思います。

敬和祭での広島風お好み焼きの販売を通じて、平和を考える機会を提供しました
(国際文化学科2年 山口のあ)
山口さんが所属するサークル「Keiwa Peace Project」の紹介はこちら
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