チャペルのひびき

人が友として互いに結ばれてゆくこと

チャペル・アワーでは、冨井鉄兵先生(日本基督教団新潟地区巡回教師)が「まだ見ぬ友へ書く、ことば。」との題のもと、聖書に描かれた、シバの女王とソロモン王、またパウロとティモテの間に結ばれた友情についてお話しくださいました。国境を越えて、また世代の差を超えて神の言葉(知恵)は人と人とを友として結ぶのですね。イスラエルの初代王サウルの息子ヨナタンとダビデ王の間の、困難(サウルとダビデの間に生じてしまった緊張関係)の中にあっても失われることのなかった稀有なる友情について、「サムエル記」という文書は伝えています。ぜひ、読んでみてください。アッセンブリ・アワーにおいては、東京より臼井一美先生(日本YWCA幹事)をお招きし、エンパワーするNGOとしてのYWCAの尊い活動について教えていただきました。私たちが普段、常識であると思い込んでいることを、想像力を駆使しつつ、もう一度問い直すことの意味について。多様なありようにもかかわらず、すべての人間が平等であることが認め合い、互いに安心安全と思えるような(人が友として互いに認め合うことのできるような)社会を築いてゆくことが大切なのだということを臼井先生は情熱をこめて語ってくださいました。その後なされた質疑応答の時間も、学生たちの積極的な質問により、意義深い時となりました。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「まだ見ぬ友へ書く、ことば。」 日本基督教団新潟地区巡回牧師 冨井鉄兵 先生
20180713チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「いっしょにいきる」 日本YWCA幹事 臼井一美 先生
20180713チャペル・アッセンブリ・アワー2

<参加学生の感想>
感想1) 冨井先生がおっしゃっていた「神は、人に言葉と知恵を送った」という言葉が心に響き、共感した。この世に言葉があるからこそ今誰かと話ができたり、さまざまな感情を持つことができるのだと感じた。神さまは私たちのことをいつも見守ってくださると思う。冨井先生は一言ひと言を心こめて話されておりとても心に残った。これまでの説教の中で一番力強いものだった。
感想2) 冨井先生のお話で、言葉を交わすことの大切さについて、よく理解できた。知恵と言葉は目に見えない。言葉にしないと相手に伝わらない。相手との違いも分からない。言葉を交わし合い、心を交わすことで友になれる。言葉なしでは人間関係は始まらないと思う。人間関係に限らず平和を訴えるにも言葉が必要だ。日本YWCAの臼井先生のお話でもあったように、言葉にして訴えなければいけないと感じた。
感想3) ジェンダーの問題は前からあったのだろうなと思うと、もしかしたら私も知らないうちに誰かを傷つけていたかもしれない。だから私たちが当たり前と考えている、男性のイメージカラーは青、女性は赤とか、男性は女性を好きになって、女性は男性を好きになるという固定観念をなくすにはこういったことが当たり前ではないことを知らなければならないし、そういった社会の風潮をなくすには、知識を広めていかなければならないなと感じた。少なくとも私は固定観念をなくして、みんなが過ごしやすい社会を作る手助けになれたらいいなと思う。
感想4) YWCAという団体を初めて聞き、これから多くの女性がリーダーシップや力を発揮できるといいなと思った。今の世の中、セクシャルマイノリティーの考え方や風潮が表立って出てきて、いろいろなありさまがあるということがもっと社会全体に浸透してほしいなと思いました。「この世界の当たり前に流されない」という言葉に胸が動かされた。周りの人と同じでいる必要はない、自分らしさを大切に、当たり前とは何か、誰も量ることのできないことだと思った。