チャペルのひびき

一番大事なボランティアとは

金山愛子先生が、信州の「落葉美術館」とそこで開かれた平山和子さんの展覧会のこと、そして高校時代の恩師であられる奥田和子先生がご自身の被爆体験をもとに著された『空が、赤く、焼けて』の中からのエピソードをお話しくださいました。一日一日を心をこめて生きたが故の個性と美しさを宿す落ち葉の存在、凄惨きわまりない状況の中でも友情を貫こうとした少年たちのエピソードから、与えられた小さな命を尊厳をもって生きるとはいかなることかということを教えられた気がいたします。アッセンブリ・アワーにおいては、池間哲郎先生より、アジアの貧困地域に暮らす子供たちへの支援活動について伺うことがゆるされました。死と隣り合わせの過酷な環境で生きることを強いられている子供たちの現状に胸が痛むと同時に、そんな中でも限られた命を誇りをもって精一杯生きようとする彼(女)らの姿に、襟を正される思いがいたしました。先生がおっしゃられた「一番大事なボランティアは、まず自分自身が一生懸命生きること」との言葉が心に響いています。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「一つと全体」 教授 金山愛子 先生
20151113チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「懸命に生きる人々~日本人こそ学んでほしい~」 カメラマン 映像撮影・制作会社JAN代表、沖縄大学非常勤講師 池間哲郎 先生
20151113チャペル・アッセンブリ・アワー2

<参加学生の感想>
感想1) アッセンブリ・アワーでは池間先生にお越しいただき、お話を聞きました。池間先生が行ってきた活動を、映像を交えながらお話しされました。世界の貧しい国、悲惨な国の現状を知り、今の私たちの暮らしと比較すると考えられない生活だと思いました。自分がそんな環境に置かれたら、とても生きていける気がしないと思いました。また、その子供たちの健気さ・立派さには、心が痛くなりました。自分よりも、本当に一生懸命、真面目に生きているなと思いました。自分のことを見つめ直す機会になったと思います。とても熱く、心を揺さぶられる講演でした。
感想2) 金山先生が読んだ原発の話を書いた本の、少年と少年の友情の話がとても心に残りました。死ぬ時は一緒だという約束を守り、自分も飲んだら死ぬかもしれないという水を飲もうとしたことがすごいと感じました。妹の爪が綺麗に切られているところとか、カバンの中にハンカチが入れられていたり家族の温もりも感じられました。機会があったら、その本を読みたいと思いました。
感想3) 恵まれた環境で生きている自分が恥ずかしい。彼らの表情や目から強い「生」の意思を感じた。私にはそれがないことが悲しい。講演中涙が止まらなかった。私の中の幸せの定義などくだらなく浅慮なものだった。生き地獄を生き抜いているストリートチルドレンの人達の苦痛を考えるだけで心が裂けそうになった。もっともっと視野を広げて、私もそこに目を向けていきたい。