チャペルのひびき

マイナスをプラスに変えて

チャペル・アッセンブリ・アワーは、カトリック吉祥寺教会の共住司祭であられる後藤文雄神父さまをお迎えしての貴重な時間として守ることがゆるされました。始めに、長岡市で生まれ育たれた神父さまの生い立ち、戦争体験、神父になられるきっかけとなったできごと、そして現在に至るまでの尊いお働き(カンボジアの子供たちのための学校建設等のお働き)を紹介した映画「father」を鑑賞いたしました。その後、後藤神父さまご本人の御口を通して、映画では描かれていない、けれども神父さまにとって決定的なできごと等について、教えていただきました。お父さまに対する複雑なお気持ち、お父さまを傷つけてしまったことに対する後悔、カンボジアの人々のために尽くされるきっかけとなった里子の方とのご関係等、赤裸々で真摯なご告白は、聞く者の心に素直に突き刺さってくるものでありました。できたら、人に伝えずに隠しておきたいようなネガティブなできごとの中にこそ、その人の生涯の歩みをポジティブな仕方で決定的に左右するような力が隠されていることを教えられたようにも思います。このたびの神父さまをお招きしてのC.A.H.の開催にあたり、新発田建設株式会社さま(代表取締役社長 渡辺明紀さま)より多大なご支援を賜ったことを、感謝をもってご報告させていただきます。(下田尾 治郎)

Ⅰ.ビデオ上映会 「father」
20190510チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.講演 「今ここに」 カトリック吉祥寺教会共住司祭 後藤文雄 神父
20190510チャペル・アッセンブリ・アワー2

<参加学生の感想>
感想1) 「今ここに」の後藤神父のお話を聞き、人に転機が来るのは突然だと感じました。そして、幸せな生活が地獄になるのも突然だと気づきました。後藤神父は戦争を生き抜き、目の前で人が亡くなる様子を見てきたことで経験した悲しみは、私には理解できないほど浅くはないと思います。「人間は人間らしく」はとても心に突き刺った言葉でした。
感想2) 20年のカンボジアの子供たちのために活動をされてきた後藤神父の信念や心の温かさに私はとても心が揺らされました。「father」上映会と後藤神父の講演を通して、その信念と心の温かさが母親から大切に注がれてきた「愛」を受け継ぎ、測り知れないほどの悲しみと苦しみを背負っている他者のため、カンボジアの子どもたちに新たにその「愛」を注いでこられたと感じました。
感想3) 1945.8.1.の長岡大空襲で最愛の母を亡くしてしまった後藤神父は、内戦や独裁政治で家族と会えなくなったカンボジアの子どもたちの姿が、過去の自分の姿に重なったように思えました。「見捨てることはできない」「希望と愛を与えたい」という気持ちはカンボジアの子どもたちにしっかりと伝わっていると感じました。
感想4) 「人間を人間らしく扱うべき」。当たり前のようで、見えなくなってしまっている言葉でした。一人でも多く助けるためには効率を考えればリヤカーなり何なりを使って助けることは当たり前だと思ってしまいます。しかし、人間の手によって助けることで、助け出された人たちの苦しみを感じるのだということに改めて気づきました。