チャペルのひびき

慰めを分かち合い、平和を生み出すために

チャペル・アワーは、新保能宏先生(日本基督教団新発田教会牧師)がご担当くださいました。先生は、新約聖書「コリントの信徒への手紙2」に記されたパウロの言葉に基づき、苦難(悲しみ)の意義について教えてくださいました。苦難は私たちにとって避けたいこと。けれども、苦難を共にしてくださるイエス・キリストを通して、苦難の中にこそ慰めは満ち溢れ、苦難の中にある人々に慰めを与えることができるとパウロは伝えています。また、苦難や悲しみが共有される時、そこに平和が生まれることを新保先生は教えてくださいました。イエス・キリストの光のもとに、自らの悲しみを見つめてゆくこと、他者の苦難と悲しみに思いをはせることの大切さを知らされたように思います。アッセンブリ・アワーにおいては、9月より敬和学園大学に着任されたロサ・オムラティグ先生(英語文化コミュニケーション学科准教授)が、故郷アイルランドの街マリンガ―の聖堂におさめられた聖画にまつわるエピソードを通して、歴史を知ることの意義について教えてくださいました。どんな小さな街にも、歴史のかけらというべきものが残されている。そうしたかけらを拾い集め、他のかけらとつなぎ合わせてゆく作業を通して、大きな歴史像(モザイク)を獲得し、自らをその中に位置づけてゆくことができることを先生はお示しくださいました。私たちが居住する新潟の街々の中にも、また、旅で訪ねた街々にも、歴史のかけらがたくさん存在しているはず。そのようなかけらを見いだす感度を研ぎ澄ましてゆくために、大学での学びがあるのでしょう。霊的にも知的にも養われたチャペル・アッセンブリ・アワーを与えられ、感謝に満たされました。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「日々、慰めに生きる」 日本基督教団 新発田教会牧師 新保能宏 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「Mullingar and the Mosaics of History マリンガーと歴史のモザイク」 准教授 ロサ・オムラティグ 先生

<参加学生の感想>
感想1) 私たちは悲しみや苦しみを何度となく経験するが、それがあまりにも深く立ち直るのが困難に感じたり自分はもう限界と感じたりした時には、神が慰めの光を照らして私たちを包み込んでくださり、私たちはそれらを乗り越えることができると知った。そして、一度悲しみや苦しみ、困難を乗り越えることができたら、神からの慰めの光から得た大きな力を、また別の困難に立ち向かうエネルギーとして生かし、人としての成長につなげていきたいと思った。また、慰めるにあたりどれだけ相手に心を寄せることができるかが重要とのお話しがあったが、他者が深い悲しみや苦しみを感じている時には、相手の思いをよく聞いてその思いに共感し、同じ気持ちを共有し、慰めの光を分かち合いたい。相手に心を寄せるとはどういうことかを学んだり、諦めない気持ちを持って積極的に物事に取り組むことを実戦する場が大学であると、改めて感じた。
感想2) オムラティグ先生の「世界を旅することを楽しむ」というポイントが印象に残った。そして、「歴史に興味を持つ」といったポイントも印象に残った。今まで生きてきた人生というのは、モザイクといったことと似ていると思う。モザイクは小さい部分から大きい絵になるといったものを示しているが、人間の歴史はたくさんの別々の破片を作って大きくするといったもので成り立っていると思う。物事にはすべて歴史があると思う。歴史の跡を見ることはとても楽しいものであると気づいたので、世界中にある物事の歴史に触れるためにたくさんの世界を旅して多くのものを見ることを大切にしてみたい。