チャペルのひびき
平和への思いを新たに
チャペル・アワーは、金耿昊先生(国際文化学科准教授)がメッセージをご担当くださいました。ご自身の来し方を振り返りつつ、聖書に記された主イエスの言葉を通して平和について考える時を与えてくださいました。先生は、日本国内で、またキリスト教会内でも安易に発せられる「平和」という言葉に反発を抱いておられたことを話されました。その言葉を聞くたびに、現実のどこに平和があるのだと思いを強くされていたとのこと。在日韓国人として生きてこられたがゆえの思いがそこに重ねられて。けれども、日本人の中にも、悲惨な戦争を繰り返してはならないとの思いで過去に向き合い、よりよき未来を切り開こうとしている人々がいることを知らされ、平和に向き合う新たなご自身のスタンスを獲得されていったのでした。そして、ご自身も歴史学徒として歩みだされ、平和の使命を神さまより委ねられた本学において教鞭をとられておられる今につながっていることを教えてくださいました。敬和での学びを通して、平和とは何か、また平和をつくりだすために何ができるかを考えていってほしいとお話を結ばれた先生の思いを大切に受け止めたく思います。アッセンブリ・アワーでは、平和学習の活動を行っている平和学習サークル Keiwa Peace Project~祈り・つながり・希望~(KPP)の皆さんが、8月に金先生と共に参加された広島女学院大学主催の平和学習プログラムでの充実した学び、また広島市内の平和モニュメントを訪れた際に感じ考えたことを分かち合ってくださいました。KPPの皆さんの報告を通して、むごたらしい過去を二度と繰り返してはならないとの思いを、新たにすることがゆるされました。(下田尾 治郎)
Ⅰ.チャペル・アワー
説教 「平和を祈る。たとえ現実が、そうでなくとも。」 准教授 金耿昊 先生
Ⅱ.アッセンブリ・アワー
Keiwa Peace Project~祈り・つながり・希望~ 活動報告
<参加学生の感想>
感想1) キリスト教学の授業で多く使うようになった聖書ですが、この大学に入ってくる前までは一度も触れたことがありませんでした。聖書を読むことで得られる学びや人生の道しるべが見つけられていいなと感じています。金先生がおっしゃていたようにキリスト教には不信感が多いと思っていました。町中にある看板で判断していました。しかし、学びを深めていくうちに「こんな考え方もあるんだな」と考え、自身の学びも増えていきました。少しずつでも新しいことに触れるのは大事です。KPPさんの活動はすごくいいなと思いました。誰かと共に核について現地に行って考えを深める機会があることでその時の様子であったりを体験することができると思います。私もいつか自分の足で行き、しっかり目にしたいと思いました。重要な話を聞く機会に参加できてうれしかったです。
感想2) マタイによる福音書とルカによる福音書を比べて、少しニュアンスが異なるだけで救われる人は変わり、よって多くの人々が救われたことだろうと思いました。金先生のお話を聞いて、平和とは何なのかを改めて考えさせられました。過去に起こってしまった戦争などから学べることはたくさんあります。ですが、争いを完全になくすことは難しく、非現実的であると思います。一人ひとりの力も小さく、一人の力で世界を大きく変えることは極めて困難です。しかし、それぞれが平和に向かって物事を考えることで、少しは変わるのではないかと私は考えています。また、KPPの活動を聞き、原爆の被害を受けてしまった地域について、私たちも理解を深めなければならない立場であると強く感じました。これらのことを二度と繰り返させないために、私たちは平和について考え、そもそも平和とは何なのか、その本質を知る必要があると思います。