チャペルのひびき
認知症の方々と共に生きること
チャペル・アワーのメッセージは、山﨑ハコネ先生(共生社会学科長)がご担当くださいました。主イエスが語られた「ぶどう園の主人と働き人」のたとえ話(マタイ福音書20章)を通して、働きの量によらずに、すべての人を招かれ、等しく恵みを与えてくださる神さまの深い愛を教えられました。能力や功績によってではなく、存在そのものをかけがえないものとしてくださる方が聖書が証しする神さまなのでしょう。神さまの眼差しを通して他者を見つめることの大切さを教えてくださったように思います。引き続くアッセンブリ・アワーにおいては、グループホーム富塚・のぞみの里の小熊高広先生と岡田真樹先生、新発田中央地域包括支援センターの桐生富佐子先生をお迎えし、認知症という病について、また、認知症になられた方々の生きておられる世界について、また認知症になられた方々にどのように接すればよいかについて、詳しく教えていただきました。認知症は誰もがなりうる病です。認知症になられた方々に私たち自身の姿を重ね合わせてゆくこと、また、認知症の方々が生きてこられた生涯の重みに思いをはせながら敬意を持って接してゆくことの大切さを心に刻みたく思いました。(下田尾 治郎)
Ⅰ.チャペル・アワー
説教 「ぶどう園の主人」 教授 山﨑ハコネ 先生
Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「認知症の人と共に」 新発田中央地域包括支援センタースタッフ 桐生富佐子 先生、グループホーム富塚・のぞみの里 小熊高広 先生、岡田真樹 先生
<参加学生の感想>
感想1) 認知症患者と接する際には、彼らが感じる混乱や不安に対して深い理解を持つことが大切だと学びました。認知症は、記憶や判断力が次第に衰え、自分自身や周囲の世界とのつながりが薄れていく病気です。しかし、私たちが忘れてはならないのは、どのような状態でも患者一人ひとりが尊厳を持った存在であるということだと思います。彼らが混乱や失敗を繰り返しても、それは病気の影響によるものであり、意図的なものではないことを理解することが大切です。あわせて認知症は、患者の心に孤独や不安をもたらすことが多いことも学びました。私たちはその不安に寄り添い、優しく、忍耐強く接することで、患者が安心感を持てる環境をつくっていくことが求められているのだと思います。言葉だけでなく、笑顔や温かい態度も、患者に大きな安心を与えることができるでしょう。
感想2) 働いている人と働けていない人との間には差が生じてしまうと思ったけれども、「ぶどう園の主人」のお話を聞いて、神は一人も取り残さずに、等しい恵みを授けるのだと知り、どんな人でも、どこかしらで恵みを受けられる存在なのだと思いました。人と自分を比べて、優劣などを考えてしまうけれども、自分も等しく、受け入れてもらえる場所は必ずあるのだと思えるようになりました。アッセンブリ・アワーでの認知症についてのお話では、認知症の方の心情や、認知症の方との関わり方などを学ぶことができました。他人事とはせずに、認知症に対する理解をより深めていく必要があると思いました。