チャペルのひびき

生きることと出会いを通して聖書の深みへと導かれ

先週のチャペルの説教は金耿昊先生(国際文化学科准教授)がご担当くださいました。「信じることと、行うこと」との題のもと、新約聖書中の「ヤコブの手紙」の聖句を通して深くて鋭いメッセージを届けてくださいました。「ヤコブの手紙」の中心テーマは、行いを伴う信仰の大切さ。信仰のみによって神の前に正しくされるとの信仰義認の立場に立つ宗教改革者のルターから「藁の手紙」とおとしめられもしたこの手紙の真価を、尊敬すべき方々との出会いをきっかけに、見出し続けていることを、先生はお伝えくださいました。聖書は底知れぬ深みをたたえた書物です。一読しただけでは、その価値を見出し得ないこともたびたびです。私たちは、その真理と深みを、よき出会いを含む自らの人生の深まりとともに発見してゆくのだということ、また、聖書を読むことと生きることは不可分であることを、金先生はお教えくださったように思います。アッセンブリアワーでは、地域貢献に関わる二つの活動が紹介されました。一つ目は、伊藤学先生(国際文化学科教授)とゼミ生たちによる、「回想法」という認知症対策療法における、高齢者施設と自治体と大学の協働ヴィジョンについて。昔の写真を通して高齢の方々に過去の記憶を喚起していただくことは、認知症の予防やその進行の遅延に有効であるのみならず、地域社会にとっても眠っている貴重な宝の掘り起こし作業であるはず。このヴィジョンの実装化を切に願います。最後に紹介されたのは、サンタプロジェクトの活動でした。クリスマスの時期に入院、入所している子どもたちに本を贈るこのプロジェクトも、地域に根差した本学学生による大事な働きです。ぜひとも参加してみてください。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「信じることと、行うこと」 准教授 金耿昊 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
伊藤ゼミ活動報告、サンタプロジェクトしばた活動報告

<参加学生の感想>
感想1) 今回の説教を聞いて、キリスト教しかりすべての教えはただその言葉を盲信したり、知識として学ぶというよりも、その言葉を元にしてどのように自分の中で教えを咀嚼して生き方に反映していくかが大事なのだと知りました。それができなければ今回の説教で聞いたように他人に自分の考えを押し付けたり、背景を考えず他者を批判したりしてしまうと感じました。常に自分の中でいろいろな考えを整理し自分の意見を持って生活していくことが今の争いの絶えない世界が平和になるためのとても大切な考え方なのだと感じました。
感想2) 伊藤ゼミの報告では、回想法という心理療法を初めて知りました。現代のIT技術によって低コストでプロジェクトを生み出すことができ、施設側の認知症予防や入所者同士の交流、介護人材の負担の軽減などに加え、自治体も地元の文化を保存することができ、新しい健康促進プログラムにつながるという、双方のメリットがかけ合わさるのがすごいなと思いました。AIによる自動音声生成技術などIT技術が進化することで、今よりもより昔を思い出しやすい番組がつくることができるようになるのかなと感じました。サンタプロジェクトしばたも伊藤ゼミも今の自分たちの強みを生かして、地域へつなげていく活動をしていることを知ることができました。自分もまだ1年目ですが、サンタプロジェクトしばたの活動に積極的に参加していきたいと思います。