チャペルのひびき
勇気をもってあげられた声に耳を傾けてゆくこと
先週のチャペル・アワーは金耿昊先生(国際文化学科准教授)がご担当くださり、ルカ福音書に記された主イエスの癒しのできごと、また「求めなさい、そうすれば与えられる」とおっしゃられた言葉を基に説教をご担当くださいました。先生は、その聖句を何度も読み返すことを通して、自らの苦しみの中にそれが不当であると感じるなら、勇気を出して声を上げなさい、とのメッセージとして受け止めたことをお語りくださいました。新潟水俣病について知る機会として実施されたアッセンブリ・アワーにおいて伝えられたことはまさにそのことでした。経済的利益優先の日本社会の犠牲になるような仕方で不当な苦しみの中におかれ続けてきた当事者の方たち。そのことを不当なことと感じ、偏見や中傷の圧力にも屈することなく、勇気と覚悟をもって実名で声をあげられた方々の存在の重みを、二人の患者さん、皆川榮一さんと菅原ハルさんのお言葉を通して、また、その方々に寄り添われてきた坂井有洋さん(新潟日報社)のお話しを通して知ることができました。そのようなことが私たちの住む新潟の地において実際に起こり、今もそのことで苦しみ、闘われている人々のあることを、他人事としてではなく、自分事として受け止めることの大切さを教えていただきました。このような社会的問題について正しく認識し、そのただ中に置かれた当事者の方々の声に耳を傾けつつ、そのために何ができるかを真摯に問い続けてゆくことも、敬和の学びであることを心に留めたく思います。(下田尾 治郎)
Ⅰ.チャペル・アワー
説教 「救われるべきと信じ、また求める」 准教授 金 耿昊 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
「新潟日報」の現役記者が語る
ノーモア・ミナマタ第2次訴訟「覚悟」の軌跡~新潟日報でたどる10年~ 新潟日報社 坂井 有洋 先生
新潟水俣病阿賀野患者会 事務局長 酢山 省三 先生、皆川 榮一 先生、菅原 ハル 先生

<参加学生の感想>
感想1)チャペルで金先生による説教を聞いて、人間にとって一番大切な「食べる」行為で体を傷つけられた方々の苦しみ、悲しみ、怒りは考えるに余りあると思いました。人生において大きな幸せをもたらす食事や、その他のさまざまな行動が理不尽に妨げられることはあってはいけないと思います。私たちは毎日自分が生きていくことに必死で、他者が助けを求めていることに気がつかないことがよくあります。そのような時に、「求める人には与えられる」という言葉を思い出したいです。自分が助けを求めている時に、同じように助けを求めている他者がいることを心に置き、そのような人を見つけた時には自分を助けるように他人を助けたいと思います。そうして人々が助け合っていくうちに自分も助けてもらえると信じ、「求める人には与えられる」社会を築いていきたいです。
感想2) 被害を受けた人に対して、水俣病であるかどうかの診断を求め、国が認めた人にしか賠償がされないという現状に驚きました。被害者を救うのは当たり前のことだと思っていたけれども、世間の間違った認識や偏見による差別など、救いを求めることも難しい状況であり、被害者であるにも関わらず、国からはまともに賠償されず、社会からは傷つけられるのは、おかしいことであると強く思います。被害者が被害を受けたことを認めてもらえるように勇気を出して戦わなくてはいけないこともおかしい状況であると思いました。なぜ、被害者が覚悟をもたなくてはいけない状況となったのか、世間の価値観などに多くの疑問を持ち、偏見の恐ろしさを感じました。






