チャペルのひびき

誰の死をも喜ばれない神

7月4日のチャペル・アワーは山﨑ハコネ先生(共生社会学科長)がご担当くださり、マタイ福音書に記されたイエスが語られた「毒麦」のたとえ話から、大事なメッセージを語ってくださいました。この世界は善きもの(良き種)と悪しきもの(毒麦)が混在している畑のようなもの。大切なことは、自分たちの尺度で、単純に悪しきものと良きものとに世界を二分し、悪しきものを刈り取ろうとしないこと。誰の中にも悪しき部分が存在するし、悪しき者たちとしか思えない者たちにも変わりゆく可能性が残されている。誰一人として滅びることを望まれぬ神は、忍耐をもって、一人ひとりが悔い改め、良きものへと変えられてゆくことを求めておられる。世界が敵味方に二分され、対立を深めるかのように思われる世界にあって心に留めるべきは、他者を断罪することではなく、忍耐強く他者の心に橋を架けてゆくことであることを教えらえたように思います。引き続くアッセンブリ・アワーにおいては、演劇集団「葛の葉」の皆さんによる朗読劇「夏の空―1945、あの日あの時」を拝聴する機会を与えられました。原爆の悲惨さを体験された方々の思いは、80年もの長き時を超えて、今を生きる私たちの心にリアリティーをもって確かに届けられました。原爆体験者のほとんどが世を去りつつある中にあって、私たち一人ひとりにも、戦争を経験された人々の声を拾い上げ、共有し、継承してゆく責任のあることを心に刻みたく思います。過去の痛みや苦しみ、また過ちから学び、誰一人として戦争によって死ぬことのない、より良き未来を選び取ってゆくためにも。(下田尾 治郎)
Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「だれの死も喜ばない神」 教授 山﨑 ハコネ 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
 朗読劇「夏の空」1945あの日あの時  演劇くらぶ「葛の葉」

<参加学生の感想>
感想1) 人間の中でも良い人・悪い人、一人の中でも良い面・悪い面があり、その中で私たちは生きているというこの環境は、イエスさまがいた時代から変わることなく今の時代まで続いていることが分かった。未来では今よりも犯罪や理不尽なことが減ることを信じていた、願っていた私にとって、この事実は悲しいものでした。しかし、悪い人・悪い面を持つ人も、変わるチャンスが与えられているというのは、良い人にとっては迷惑でつらい状況が起こってしまうが、悪い人にとっては神による救いであるのだと理解できました。正直に言うと、良い人がたくさんいる優しい社会・世界で生きることができるのなら、その世界で安心して生きていきたいなと思いました。
感想2) アッセンブリ・アワーで演劇くらぶ「葛の葉」の方々による朗読劇「夏の空」1945あの日あの時で臨場感のある話を聞くことができました。原爆が落ちてきて被害を受けた人たちの痛々しい感じやうめき声、叫び声など迫力があり、リアルに感じることができた。今まで何度か戦争の話を聞いたことがあったがここまで苦しくなって、胸がしめつけられて心に残るものは初めてで感動した。日本は唯一核兵器による攻撃を受けた国としてこの事実を世界に後世に伝え続けなければならないと思った。