チャペルのひびき

過去と未来をつなぐべく、現在を生きること。

アッセンブリ・アワーは、本学非常勤講師の吉原悠博先生がご担当くださり、新発田という地の魅力を、大竹与茂七、大倉喜八郎、堀部安兵衛といった3人の歴史的人物を通して教えてくださいました。新発田の老舗の写真館の店主でもあられる吉原先生は、このような歴史的な人物だけでなく、「写真の町シバタ」という活動をなさっておられます。広く新発田の市民の方々に呼びかけ、それぞれの家庭に保管された昔の写真を提供してもらうことを通して、過去の新発田の街の姿を、またそこで生きていた普通の人々の姿を、またそれらの写真を撮影した人々の思いを現在によみがえらせ、未来に引き渡そうとの尊い試みです。チャペル・アワーにおいては、『新世紀エヴァンゲリオン』というアニメについて、少しお話ししてみましたが、そのアニメ全編を通して、折に触れて、登場人物たちの口を通して語られることになる印象的なフレーズをご紹介いたしました。「亡くなった人たちの志を引き受けてゆくこと、それが大人になること」とのフレーズです。大人になること、それは、責任ある人生を生きる者となること、と言い直してもよいでしょう。過去の人々の喜び、悲しみ、願い、苦しみ、希望、志といったものを、引き受けると共に、それらを未来の人々に引き渡すべく、誠実に今を生きてゆくこと。吉原先生たちの活動に、責任ある大人としてありさまを見ることがゆるされました。また、そのような歩みは、「聖書」という書物が教える人間の歩むべき姿と言ってもよいでしょう。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「主がお入り用なのです」 宗教部長 下田尾治郎 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「エモい シバタ!-圧倒的な新発田の魅力-」 吉原写真館店主 吉原悠博 先生

<参加学生の感想>
感想1) 吉原先生の話を聞き地域の歴史を知ること、そして当時の人々が経験したできごとや思いを途切れさせることなく語り継いでいくことの重要さを感じました。私は、新発田には過去に偉業を成し遂げたり名が多くの人に知られていたりしたという偉人が多くいるということを初めて知りました。また、そのように活躍された人の存在を忘れることのないように慰霊碑がつくられたり、昔のできごとを語り継ぐ活動が行われていることを知り、価値ある歴史を守りたいと思う多くの人の思いを強く感じました。そして過去があるから今があるということ、現代の私たちの生活や考え方には過去に生きた人たちが生活の向上のために考えた知恵や思いが大きく影響していると思います。過去のさまざまなできごとで得た人々の経験の積み重ねで今があり、これからも紡がれていく歴史の重要さを心に留め歴史に触れることそして受け継ぎ、伝えることが今を生きる私たちに求められることだということを忘れずに生活したいです。
感想2) 今回のチャペル講話「主がお入り用なのです」は私にとっての主は誰か考えるきっかけになった。最初、私の主は自分の親や家族だと思っていたが、一方で私の主は自分自身なのではないかというようにも考えた。習字の筆先が使っていくうちにその人の筆圧などによってその人にあった形に変わっていくように、私の体は私の普段の行動や食生活によって体系や体質が変わる。よく子供は親を選べないということを聞くが、自分の将来を決めるのは親ではなく自分自身である。今回の講話は自分の行動に責任と自信を持つよいきっかけになった。将来の自分の姿を決めるのは自分自身であるので、このことを心に留めておきたい。
感想3) まず、下田尾先生のお話を聞いてアニメと宗教関連の結びつきは強いと感じました。今回、お話にあったエヴァンゲリオンは使命という部分から結びつきがあって、それ以外の作品でも関連性があると思いました。使命という言葉は、基本的には人を強くすることだと思いますが、時には人を深く呪う言葉でもあると感じています。その言葉で人はよい方向にも悪い方向にも進んでいくと思います。だからこそ、自身の中でよく言葉を理解して行動していくことが大切だと考えました。また、アニメも聖書も変わらないこととしては、伝えたい想いや言葉があることだと感じました。