チャペルのひびき
エモい シバタ!
アッセンブリ・アワーにおいては、本学非常勤講師の吉原悠博先生(吉原写真館館長)が、「エモい(熱き感情を呼び起こす) シバタ!」とのタイトルのもと、本学の所在地である新発田市の魅力についてたっぷりお話しくださいました。義人でありながら非業の死を遂げた与茂七の呪いとし新発田大火をお話しくださったり、堀部安兵衛や大倉喜八郎といった郷土が輩出したいわゆる偉人について、現代日本との関わりにおいて魅力的に教えてくださったりの楽しい時間でありました。けれども、私たちが心に留めるべきは、なんといっても、吉原先生がお仲間たちと10年前から続けておられる「写真の町シバタ」という活動であるといってもよいでしょう。街の人々に写真を提供していただき、その写真にまつわるエピソードをお話ししてもらい、それを書き留めてゆくという試みは、市井の普通の人々がどんなに密度の濃いストーリーを生きてこられたかの豊かな証しともなっているとのこと。これらのいわゆる名もなき人々の生涯に心を留め、光を当てることこそ、堀部や大倉の生涯を知るにまさって、本学に学ぶ一人ひとりが自らの姿勢としてほしいと思いました。(下田尾 治郎)
Ⅰ.チャペル・アワー
説教 「限りある命の恵み」 宗教部長 下田尾治郎 先生
Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「エモい シバタ!」 吉原写真館館長 吉原悠博 先生
<参加学生の感想>
感想1) 今日の下田尾先生のお話で、死と愛の関係について知ることができました。創世記のころ、アダムとエバは禁断の果実を食べたことで神によって追放されましたが、神が危惧したこと、それは命の果実までも食べられてしまうことでした。私ははじめ、なぜ食べてしまうことがそれほどまでに問題なのか疑問に思っていましたが、先生は「人類が愛を失ってしまうことを恐れているのです」と話してくださり、絵本の「100万回生きたねこ」を例に挙げてくださいました。とても分かりやすく、あの猫のように長いこと生きることで物事に執着しなくなり、感情が失われていくのだと感じました。小さいころ、不老不死にかっこいい、強いイメージを持っていたことがありまたが、今回のお話で限られた命の中にこそ美学があるのだと分かりました。この先の人生を考える時間となりました。
感想2) 今回のチャペル・アワーでは「100万回生きたねこ」という絵本をご紹介いただきました。100万回生きた分の経験を積んだ自分自身に自信を持っていたねこがなにものにも代えがたい愛する存在に出会い、愛を知ったねこは二度と生まれ変わることはなかった、というお話でした。このお話を伺って、愛する存在に出会い、愛するということを知る、というのはとても尊いことなのだと気づきました。一回目の人生で愛に気づけるということはとても幸せなことなのだと思いました。
感想3) 百万回生きた猫の絵本は私も小さいころから好きで何度も読んだことがありますが、初めて読んだ時の結末に私は納得することができなかったのを今でも覚えています。それはなぜ今まで何度も生き返っていたのに、白い猫に出会い愛したということで、自分も生まれ変わることことができなくなったのか?(死んでしまったのか) 子どもながらに、生まれ変わる度にいろんな人に飼われ愛されたのに、自分は飼い主を愛すことはなかったというのはとてもぜいたくだなと思いました。 しかし、愛することができたということに焦点を置くことで、愛することができたということは人生が満たされたということで、つまり生まれ変わることはないということだ、と。人は命が限られているからこそ、愛すことができるのだという言葉を聞いて私はすごく感動しました。たった一回きりの初めと終わりの間で、多くの人と出会えることもすてきですが、それ以上に愛すことのできる人と出会えることもすてきだと感じました。
感想4) 今回のアッセンブリ・アワーでは、「エモい シバタ!」ということで、昔の新発田〜今の新発田までの文化、建物、人物などを知ることができました。私は新発田市民ではないので、新発田市役所にまだ行ったことがないのですが、BCS賞という、東京タワーなども受賞している賞に選ばれていることに驚きました。写真で初めて見たのですが、とてもきれいで、私の近くは新潟市役所なのですが、全然違う外装でうらやましいとも感じました。また、新発田は城下町であったため、たくさんの古い写真や歴史的なものが残っていることや、ちょんまげがまだ残っていることや、それに椿油を塗って保存していることにはとても衝撃を受けました。自分はまだまだ新発田のことについて分からないことが多いですが、大学4年間でよさをたくさん感じに行きたいと思いました。
感想5) 今回、吉原先生の話を聞いて新発田には多くの魅力が詰まっているのだと知ることができた。私が特に印象に残っているのは新発田大火の写真だ。空には黒煙がもうもうと上がっていてそれを見上げる人々の写真、まるで戦争が終わった後のような場所を歩く人々の姿のものなどそれらは白黒であるのに私に大きな衝撃をもたらした。普段白黒の写真を見ても何も思わなかったのにその2枚の写真に心を動かされた。これまで写真が持つ影響力を感じたことはなかったが今日それを理解した。具体的に何をしたらよいのかはまだ分からないが、今日の講義を受けて私も人々が受け継いで来たモノを守っていきたい。