チャペルのひびき

木を育てるように、人を育てる

チャペル・アワーは、入学記念植樹礼拝として守られました。金山愛子先生(学長補佐、英語文化コミュニケーション学科教授)が、新井明先生(元学長)が教育方針とされた「木を育てるように人を育てる」との言葉を紹介されながら、心に刻むべき豊かな言葉の数々を語ってくださいました。木から学ぶことのできる大切なことは、与えられた場にあって、謙虚に根を張りながら生きてゆくこと。目先のことに振り回されず、木が試練や困難にもかかわらず年ごとに着実に年輪を増してゆくように、また、人に憩いと安らぎを与え、世の傷を癒していく存在となるべく、将来の自分や社会に対するヴィジョンを培いながら、成長してゆくこと。教職員は、学生の皆さん一人ひとりがそのように育むべく、4年という短い期間ですが、責任を負ってゆきます。けれども、そのことを含めて、一人ひとりを生涯にわたり育ててくださるのは神さまであることを、使徒パウロの言葉に触れながら、金山先生は教えてくださいました。このチャペル・アッセンブリ・アワーという時間も、神さまがそのために備えてくださったささやかな時間であることを覚えていただきたく思います。引き続くアッセンブリ・アワーは、新発田南地域包括支援センター、新発田中央地域包括支援センターのスタッフの方のご指導のもと、認知症の方々を理解するための学びの時として持たれました。認知症になっても、人生は終わりではないこと。むしろ、認知症を通して、人と人とがより深い絆で結ばれうる新しい人生(社会)が開かれてゆくことも可能であるということ。そのためには、私たち一人ひとりが、ちょっとした勇気と思いやりをもって困難を覚えている人に寄り添うことが大切であることを、覚えることのできたことは幸いでした。この後、中庭にて、新入生と共に植樹の式を執り行いました。植えられた木は、新入生一人ひとりを象徴するもの。折に触れてそのもとを訪ね、木と自分の成長を確かめていただきたく思います。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「木を育てるように人を育てる」 教授 金山愛子 先生
20200605チャペル・アッセンブリ・アワー1

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「認知症の方々を知り、支えること」 新発田南地域包括支援センター、新発田中央地域包括支援センター
20200605チャペル・アッセンブリ・アワー2

20200605チャペル・アッセンブリ・アワー3

<参加学生の感想>
感想1) 今日のチャペル・アッセンブリ・アワーでは、直接講師の方々とお会いして、対面の形で授業を受けることができたことに喜びやうれしさを感じました。動画の形で先生方のお話を聞くことができて光栄でした。しかし、直接お話を聞くと相手の話がより理解しやすく、動画では伝わってこないものがあり、それを感じることができたので、さまざまなことを深く吸収できたと思います。金山先生のお話では、木を育てるように人を育てることが理想の教育であることを学びました。木のように育てることで教育を受ける側が伸び伸びと自分の想いに身を傾けて学ぶことができます。また、深くどっしりとした根を張り、いつまでも謙虚な姿勢で学びに励む大切さを改めて感じることができました。これからの時代はAI化に伴い、新しい物や制度がさらに進出してくると思います。だからこれからは時の流れに身を任せ、周りの環境に合わせるだけでなく、自分のなりたい姿を想像し、お互いに協力し、自然をいたわりながら生きることが重要だと思いました。
感想2) 今回の認知症についてのお話を聞いて、認知症に対するイメージが今までと比べて変化しました。今までは、認知症になったら自分でできないことばかりで周りの人に頼るだけの生活だと思っていたけれど、本当は、自分でできることは自分でやって、できないことはパートナーと一緒になって行うということを学びました。認知症の方は、今まで気づけなかったことに気づいたり、新たな挑戦を通して新しいことを身につけたりすることができるという希望があるということがよく分かりました。また、もし街で困っている人がいたら「何かお困りですか」や、「お手伝いすることはありますか?」などと言って自ら積極的に声をかけようと思いました。自分の行動によって困っている人を助けることができることを知って、声をかけることはとても大事なんだと思いました。
感想3) 今日の金山先生のお話を聞いて、人を木に例える表現がとてもよいと思いました。木が育つように私たちも成長していき、私たちの手で土をかぶせた木が4年間の間にどれだけ大きく成長するか今から楽しみで仕方がありません。
感想4) 認知症になっても明るく、笑顔で過ごされている丹野さんの姿をみて、認知症のイメージが変わりました。認知症はかわいそうな病気だと思っていました。実際身近な人が認知症になり、変わっていく姿を見て、かわいそう、悲しいと思うからです。「認知症になっても新しい人生を作れる」という言葉がとても力強く感じました。自分のことを見つめてたくさん悩まれて、努力されて経験したからこそ言える言葉だなと思いました。自分が若いうちに発症したら丹野さんのように明るくいられるだろうかと考えました。すぐに前向きにはなれないと思うし、もっと自分が嫌いになると思います。だからこそ、丹野さんの言葉が強く心に残りました。自分の家族や大切な人が認知症になった時ちゃんと向き合って、最後まで大切に接していきたいと思います。